男子テニスの世界ランク5位でグランドスラム14度の優勝を誇る
R・ナダル(スペイン)が、今年の夏に行われるリオ・オリンピックで、母国スペインを代表して国旗を掲げる旗手として選出され、開会式に出席する見込みとなった。
ナダルは4年前のロンドン・オリンピックの時に旗手として開会式へ参加する予定だったが、怪我のためにオリンピックを欠場し旗手を務めることが出来なかった。その際はナダルの代役として、NBAで活躍していたP・ガソルが旗手を務めた。
27日、満場一致でリオ・オリンピックのスペイン代表団旗手にナダルが選ばれた。この発表は、8月5日にリオデジャネイロのマラカナ・スタジアムで行われる開会式まであと100日として、マドリッドで開かれた記念式で発表された。
ナダルは自身の公式ツイッターに、スペイン・オリンピック委員会へ感謝の気持ちを語った動画を投稿。
「これは本当に素晴らしい名誉。とても興奮している。オリンピックが最高の大会になることと、スペイン・チームが良い成績をあげられることを願っている。」と気持ちを話していた。
ナダルは、2008年の北京オリンピックの男子シングルスで金メダルを獲得しており、2004年のアテネ・オリンピックにもスペインを代表して出場していた。
「スペインのスポーツ界ではナダルの功績はとても大きい。彼は結果だけでは表せないくらいの貢献を我々にしてくれている。」とスペイン・オリンピック委員会のA・ブランコ会長がナダルについての思いを述べた。
ナダルはリオで、約300人のスペイン代表団を旗手として率いる。これまでも、スペインを代表して戦うオリンピックへ強い想いを抱いており、大会期間中も他のアスリート達と共に選手村に滞在していた。
「ナダルは疑いなくスペインを代表する最高のアスリート。」と語るのは、サッカーのスペイン代表チームのV・デルボスケ監督。
今回の発表は、ナダルがドーピングに対する疑惑をかけられたことから裁判を起こしたことが明らかとなった直後だった。ナダルは今週、フランスの元健康・スポーツ大臣を名誉毀損で訴えており、国際テニス連盟(ITF)にこれまで受けた検査結果全てを公にして、検査は全て陰性であったことを示して欲しいとする要望を出していた。
ブランコ会長は、ナダルが旗手として適任だと最近語っていた。
フランスの健康・スポーツ省のR・バシェロ元大臣は、フランスのテレビ番組へ出演した際、2012年にナダルが7カ月のツアー離脱をしたのは「恐らくドーピング検査で陽性反応が出たためだろう。」とする発言をしていた。
その発言はナダルの怒りに触れ、ナダルの「アスリートとしてのイメージ 」を守るために公的処置をとるまでに至った。そして「証拠や根拠もなしに、アスリートに対して侮辱や誤った疑いをかけるような発言が著名な人物の口から発せられるようなことを防ぎたい。」とする意味でも裁判を起こしたとしている。
ナダルは同時に、ITFのD・ハガーティ会長宛に手紙を出しており、それにはこれまで受けた検査結果や血液検査の結果を公にして欲しいとリクエストするものだった。そして、選手に対して誤った非難をするようなことがあれば、訴訟をする準備をした方が良いとも添えられていた。
昨年は苦しいシーズンを送ったナダルは、わずか3大会の優勝にとどまっていた。しかし今季は、モンテカルロ・マスターズで優勝を飾って復活を印象付けると、続いて出場したバルセロナ・オープンでもタイトルを獲得する活躍を見せている。ナダルは来週母国スペインで行われるマドリッド・マスターズへ出場する予定。
ナダルが最後にグランドスラムで優勝を飾ったのは、2014年の全仏オープンとなっている。
(STATS - AP)
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