男子プロテニス協会のATP公式サイトは22日、今シーズンで現役を引退した選手を掲載。tennis365.netは来シーズン開始まで、今季引退を表明した選手を特集する。1人目は今年5月の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)をもって一線を退いた元世界ランク5位の
JW・ツォンガ(フランス)をピックアップ。
18年間にわたるプロ生活に終止符を打ち、全仏オープンで現役を引退した37歳のツォンガ。身長188cm、体重93kg(ともにATP公式サイトに掲載)の体から放たれるサービスと力強いフォアハンドを武器に白星を重ねたツォンガはシングルスキャリア通算で467勝を記録。
計18度のツアー制覇を経験し、2009年には楽天ジャパン・オープン・テニス(東京/有明、ハード)で優勝した。四大大会のタイトル獲得はないものの、「ATPマスターズ1000」では2008年のロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)と2014年のロジャーズ・カップ(カナダ/トロント、ハード、ATP1000)でトロフィーを掲げている。
近年は負傷により出場大会が少なかったが、キャリア全盛期には約10年にわたり世界ランクトップ20をキープ。
R・フェデラー(スイス)、
R・ナダル(スペイン)、
N・ジョコビッチ(セルビア)の3選手がそれぞれ世界ランク1位のときに撃破した3選手のうちの1人で(残り2名は
A・マレー(イギリス)と
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン))、多くのファンを魅了してきた。
ATP公式サイトにはツォンガが引退する際のコメントが掲載されている。
「僕はいつも、子どもたちや他の人たちにインスピレーションを与えることが自分の目標の1つだと言ってきた。キャリアの中でそれができたと思うよ。僕自身、他のスポーツマンからインスピレーションを受けてきたし、自分がどう感じるかもわかる。誰かのファンであったり、誰かを尊敬しているときの気持ちもわかるんだ」
2004年、19歳のときにプロへと転向したツォンガ。ジュニア世界ランク2位として、前年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)ジュニアを制した有望株は、2004年のチャイナ・オープン(中国/北京、ハード)で当時世界ランク6位だった
C・モヤ(スペイン)を6-3, 6-3のストレートで破り一躍名を広めた。
その後3年間は目立った活躍が無かったものの、2008年の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)でマレー、
R・ガスケ(フランス)、
M・ユーズニー、ナダルらを下し決勝に進出。最後はジョコビッチに屈したが四大大会初の準優勝を経験し世界トップ選手の仲間入りを果たした。
今年、全仏オープンで
C・ルード(ノルウェー)に敗れ現役を退いたツォンガは、若い選手と対戦する際のネット越しでの会話を披露している。
「25歳以下の若い選手のほとんどは、僕と対戦するとネットで『僕は大ファンだったんだ!』と言ってくれるんだ。彼らにコテンパンに打ちのめされても、試合後『大ファンだったんだ』と言ってくれる。これはいいことだよ(笑)。獲得してきたトロフィーの中には、コート上で何が起こったのか、すべて覚えていないものもあるんだ。でも、彼らにインスピレーションを与えられたこと、それを彼らに直接コートで伝えられたら、いつまでも覚えているよ」
ツォンガは現在、ジュニアテニスの普及活動などをしながら家族との時間を第一に生活している。
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