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１９８７年に地元全豪オープンでシングルス準優勝、ウィンブルドンでは優勝を飾るなど、Ｉ・レンドル（アメリカ）やＪ・マッケンロー（アメリカ）と肩を並べる往年のテニスプレイヤーであるＰ・キャッシュ（オーストラリア）が来日し、都内でテニス３６５の独占インタビューに応じた。

約３０年ぶりとなる今回の来日は、アメリカCNNのテレビ番組『Open Court(オープン・コート)』でナビゲーターを務めるパット・キャッシュが、杉山愛（日本）へのインタビューを行うなど撮影のため。

日本のテニスや、過去来日した際のフューチャーズ大会での思い出を振り返るなど、テニスに関しては真剣に応えるパット・キャッシュは、新宿、渋谷、浅草といった観光を楽しみ、野球や相撲も楽しみたいと陽気な一面も見せてくれた。


Ｑ：今回の来日についてどんな思いがありますか？

日本はテニスが人気のある国だから、アジアでこの(Open Court)番組をやれることはとても良いことだよ。

錦織圭（日本）にも注目していたが、今回の勝利は僕達にとってボーナスみたいなものだね。そして国枝慎吾（日本）のトレーナーは私と同じアン・クインということで、パラリンピックでもずっと注目していたんだ。

これらの良いストーリーがある中で番組の取材に来れたことが本当に良かったなと思っている。



Ｑ：錦織選手はどう見ていますか？

錦織はとてもエキサイトだよ。シンプルに考えて、目指すチャンピオンが出来ることでテニスがもっと人気になるよ。

世界ランキング１０位くらいにはなれると思うよ。でもね、運も大切。トップ２０位圏内はとても動きが激しいからね。だから今までになかった大きなプレッシャーがあるだろうね。失うものが無いときはどんどん挑戦できるけど、結果が出るとそうはいかなくなってくるからね。

彼にとても興味を持ってグランドスラムを見ていたが、どんどん良くなっている。どんどん良くなることもまた大切、成長することが大切。



Ｑ：錦織圭みたいになるために、日本のジュニア選手にはどのようなことが必要でしょうか？

日本は今まで技術を重要視してきたと思うが、その点が弱点になってはならない。特にネットプレーが大事だね。まず自信を持つことが大切なんだよ。

ネットプレーは非常に難しいもので、熟練が重要になってくるんだ。サーフェス、ボール、ストリングなど様々な要素が必要になってくるもので、Ｒ・フェデラー（スイス）でさえまだ完璧なプレーは出来ていないと思うよ。

小さい頃からネットプレーをすることが大切だよ。



Ｑ：膝を深く落とすサーブ＆ボレーのプレースタイルは意識的なものですか？

そのように教わったけれども、バウンドしにくいサーフェスに対応するために、更に膝を落とすようになってきたんだと思う。

私が教える時には、低く沈むスタイルを教える必要は無いと思っている。なぜなら常にテニスは進化していて、最近のテニスはボールが速いから、沈んでいる暇が無い。今は違うやり方だよ。

そして、とてもシンプルであることが大切。一番大切な原則を知る方法として、ボディーバランスと良いポジショニングを大切にすると良いんだよ。

いろいろ言いたいことがあって一つには絞れないよ（笑）。

ブライアン兄弟、シュティエパネック、ハースはとてもボレーが上手だと思うよ。僕たちの世代のビデオをしっかり見ることだね。サンプラスやヘンマン、ケン・ローズウォールがベストだよ。

小さいラケットの中心にボールを"ボーン、ボーン"と当てることが大事なんだ。



Ｑ：これからやってみたいこと、目標はありますか？

今までシニアトーナメントを戦ってきたけれど、次のステップとしては、世界中にテニスを教えるアカデミーを作っていくことなんだ。是非アジアでもそういうアカデミーを作りたいね。

日本の子供たちはとても熱心に聞くし勤勉だから、教えるにはベストだね。



Ｑ：トレードマークのバンダナは試合中に交換しているんですか？

もちろん、試合中に汗をかくから交換しないとね。１試合で２０本くらい変えることもあるよ。



Ｑ：ご自身がツアーに復帰したら？

もちろんナンバーワンになるよ（笑）。ただ、昔とは違うスタイルで挑戦するよ。サーブ＆ボレーは好きだからやるけど、ストリングの技術は高くなってボールも速くなっているから、サーブ＆ボレーで勝てるわけではないからね。

そして、自分がテニスのルールを変えられるようになったら変えたいことがあるんだ。まずひとつはレットのルールをなくすこと。そして、ストリングについて規制をかけること。

特にストリングの技術の進化はめざましく、プレイヤーの技術の発展を大きく妨げていると思っているよ。



日本ではCNNj(ケーブルテレビ・スカパー等から配信)より視聴可能となっています。
１０月１８日(木)１８：３０放送回では、錦織圭、Ａ・マレー（英国）、国枝慎吾の特集に加え、今回インタビューに応じてくれたパット・キャッシュによる杉山愛へのインタビューなどを放送する予定。

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