現在の男子テニスは世界ランク1位の
A・マレー(英国)と同2位の
N・ジョコビッチ(セルビア)が圧倒的な力を見せつけている。それを追うのが同3位の
M・ラオニッチ(カナダ)、同4位の
S・ワウリンカ(スイス)、同5位の
錦織圭だが、若手のD・ティエム、
N・キリオス(オーストラリア)、
L・プイユ(フランス)、
A・ズベレフ(ドイツ)らにも注目が集まる。
23歳のティエムは今年だけで4大会のタイトルを手にし、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)でベスト4進出。さらに上位8選手しか出場出来ないATPワールドツアー・ ファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)に初出場を果たした。
21歳のキリオスは
R・フェデラー(スイス)や
R・ナダル(スペイン)らビッグネームを過去に倒し、今年はオープン13(フランス/マルセイユ、ハード、ATP250)でツアー初優勝すると、アトランタ・オープン(アメリカ/アトランタ、 ハード、ATP250)と楽天ジャパン・オープン(東京/有明コロシアム、ハード、ATP500)でもタイトルを獲得し、世界ランキングは10月に自己最高の13位を記録。
観客を魅了するキリオスだが、その反面で今年の上海マスターズ(中国/上海、ハード、ATP1000)ではやる気のないプレーから出場停止と罰金の処分を受けた。11日まで行われた国際大会の「Coca-Cola INTERNATIONAL PREMIER TENNIS LEAGUE presented by Qatar Airways(コカ・コーラ インターナショナル・プレミア・テニス・リーグ)」(以下、Coca-Cola IPTL)ではシンガポール・スラマーズの2連覇に貢献した。
22歳のプイユは5月のBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッド クレー、ATP1000)で予選敗退を喫したが、ラッキールーザーで本戦入り。その後は
D・フェレール(スペイン)らを下してマスターズで初のベスト4進出、ウインブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)と全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)ではベスト8へ進出した。
さらに9月のモゼール・オープン(フランス/メッツ、ハード、ATP250)でツアー初優勝、2016年は飛躍の年となった。
世界ランキングのトップで唯一の10代である19歳のズベレフは、ゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ/ハーレ、芝、ATP500)でフェデラーを破る活躍を見せ、サンクトペテルブルグ・オープン(ロシア/サンクトペテルブルグ、 ハード、ATP250)では決勝で全米オープンを制したワウリンカを接戦の末に下してツアー初のタイトルを獲得した。
2016年の前半はジョコビッチが王者の強さを見せていたが、後半はマレーが4大会連続で優勝する圧倒的な強さで世界ランキング1位の座を手にした。
12月29日に27歳を迎える錦織は、マレーとジョコビッチの牙城を崩し、若手らの挑戦を受けて、2017年にグランドスラムの頂へ上り詰めることが出来るか。
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