テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は29日、男子シングルス準決勝が行われ、第2シードの
A・マレー(英国)が第13シードのM・ラオニチを4-6, 7-5, 6-7 (4-7), 6-4, 6-2のフルセットで下し、2年連続5度目の決勝進出を果たした。
>>全豪オープン対戦表<<マレーの妻であるキム・シアーズは現在臨月を迎え第1子の出産を目前に控えており、マレーは例え決勝戦へ進出してもその時が出産と重なったら、棄権してでも妻がいるロンドンへ飛んで帰ると語っていた。
今回の決勝戦では2連覇と6度目の優勝を狙う第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。これまでマレーは全豪オープンの決勝戦で0勝4敗、一方のジョコビッチは全豪オープン決勝で5勝0敗の負け無し。
「5回目の決勝進出は、最高の達成感。それはもう消し去れない事実。その事実に誇りを感じている。過去に何があったかなど関係ない。大切なことは31日の決勝戦がどうなるかということ。」とマレーは今の心境を明かした。
マレーは2011年から2年おきに決勝へ進んでいたが、その全てを子供の頃からの友人でもあるジョコビッチに阻まれている。
「彼(ジョコビッチ)はこの大会のコートでプレーするのが大好きなんだ。ここで何度も対戦してきた。出来れば、今回は違う結果になればと願っている。」と初優勝への気持ちを語っていた。
今大会では、多くのことが頭にある中で試合を続けている。まずは妻であるキムが第一子の出産を来月に控えている。そしてキムの実の父親でマレーの義父であり、
A・イバノビッチ(セルビア)のコーチをしているナイジェル・シアーズが、ちょうどマレーが3回戦の試合をしている時に倒れ、救急車で病院へ運ばれるアクシデントに見舞われていた。
会場近くの病院に一泊の入院をした義父は、回復して退院。義父が病院へ運ばれたのを聞いた時、義父の状況次第ではイギリスへ帰ることになるかもしれないと感じていた。
しかし状況が落ち着き、その試合もストレートで勝利したマレーは、感情の高まりから身震いもしていた。
29日、マレーはラオニチに苦戦を強いられた。グランドスラムで自身2度目の準決勝進出を果たしていたラオニチは、カナダ人として初の決勝進出をかけて必死に立ち向かってきた。
試合は普通ではないスタートを切った。第1セットの第1ゲームでラオニチにラブゲームでブレークを許した。
続くラオニチのサービスゲームも0-40とマレーはブレークバックのチャンスを握ったがブレークバック出来なかった。
その後は攻撃の手を緩めず、ファイナルセットでゲームカウント4-0とリードすると、4時間に渡る試合に終止符が打たれ、マレーが自身9度目となるグランドスラム決勝進出を決めた。
決勝戦で対戦する世界ランク1位のジョコビッチは、昨年のグランドスラムで27勝1敗という成績を叩き出している。
1931年のウィンブルドンの決勝戦でF・シールズが怪我で棄権し、S・ウッド=ジュニアが優勝して以来、グランドスラムの決勝戦を棄権した選手はいない。マレーも今のところ決勝戦を戦う気持ちでいる。
「しっかりした戦術で試合に臨まなければならない。うっかり集中力を切らせたりしてはならない。ただ、最高のプレーをすることに心掛ける。」と語るマレーは、過去ジョコビッチ戦で9勝21敗と大きく負け越している。
(STATS - AP)
>>WOWOWで全豪オープン実況中!吉崎仁康氏による現地レポート<<
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