世界40カ国以上でサービスを展開している世界最大級のチケット仲介売買プラットフォーム「Ticketbis」は、自社のデータを基に、現在行われているテニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)を含め、日本人ユーザーの海外スポーツ観戦において「衝動買い」という新たなトレンドを定義したレポートを発表した。
>>全豪オープン対戦表<<昨年開催された全豪オープンのオーストラリア以外の売上において、日本は56.7パーセントと群を抜いており、2位以降を大きく離す結果となった。その第一の要因は、
錦織圭の報道過熱によるライトなファン層が増えたこと。今まで、テニスへの興味は薄かったものの、全米オープン後の盛り上がりに触発されて観戦するケースである。
第二の要因は、同時期にサッカーのアジアカップが開催されたこと。日本対ヨルダン戦の会場が、全豪オープンの開催地メルボルン内で隣接していた。つまり、サッカー日本代表の応援の「ついで」に錦織選手を観に、「ハシゴ」をしたファンが多くいたという背景もある。
今年は、駆け込みでチケットを購入するケースが多く見られた(26日時点)。日本からの購入者のうち、大会開幕後に購入したのは60.0パーセント。そのうち、66.6パーセントが試合の前日に購入していた。
前日に購入されたチケットは、全て錦織が出場した試合だったのは偶然ではないだろう。3人に2人が錦織戦を直前に購入していることになる。
ここから「衝動買い」をするライトなファンが試合会場に増えている、というトレンドが見えてくる。
衝動買いとは、(1)もともと買う予定のなかったものを(2)勢いで買ってしまうこと、と言える。サッカーの応援や観光などの「ついで」に観戦するファンは、もともと買う予定はなかっただろう。また、錦織の勝敗によって盛り上がり、ついつい買ってしまった、など勢いという点からも説明がつく。
実は、スポーツ観戦の衝動買いは、全豪オープンだけではない。このようなケースが、昨年は何度も散見された。例えば、ラグビーワールドカップでその傾向は顕著だった。これらに共通しているのは、2つ。
一発勝負のトーナメントであること。さらに、下馬評をくつがえしたこと。一般的には、世界トップレベルのスポーツイベント観戦は、困難と思われがち。熱狂的なファンならともかく、気軽に観戦したいライトな層にとって、チケット入手が不可能に近いという先入観がある。
一方、既に購入していたファンからすると、急に観戦チケットの価値がなくなることもある。例えば、全豪オープンのナダル対フェデラーというカードが目当てで購入したものの、どちらも早期に敗退、などという状況になった場合のこと。
CtoCプラットフォームでは、そんなファン同士をマッチングすることができる。これこそ、ビギナーでも「衝動買い」をすることが可能になった背景である。
シェアリングエコノミー効果により、誰でも簡単にスポーツイベントを観戦できるようになっている。国境だけでなく、ファンもボーダーレスとなる日も近そうだ。
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