7日まで行われていたテニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)男子シングルス決勝戦で
N・ジョコビッチ(セルビア)を下し、全仏初制覇・自身2度目の四大大会優勝を果たした
S・ワウリンカ(スイス)。その優勝から1日経った8日の会見で、コーチであるM・ノーマン(スウェーデン)との秘話を語った。
ワウリンカ活躍の裏には、2000年の全仏オープン準優勝者であるノーマンをコーチに招いたことが飛躍へと繋がっている。
2013年のシーズンへ向けて、ワウリンカは初めてノーマンと一緒に練習をした後、年間のスケジュールを見ながら、どの大会にノーマンが帯同するかを確認していた。その時ノーマンがあげたのは、シーズンの1番最後に行われるツアーファイナルだった。
その最終戦は、シーズン獲得ポイントの上位8選手しか出場出来ない大会で、当時ワウリンカの世界ランクは17位と、トップ15にさえいなかった。
「彼(ノーマン)に言ったんだ。“何を言ってるんだ、自分がその大会に出るのかい?”ってね。」とワウリンカは、ノーマンとの秘話を語り始めた。
ノーマンの言葉通り、ワウリンカは2013年の最終戦に出場。
「コーチというものは選手に自信を持たせたり、常に選手を後押ししたり、選手を誉め称えたりするもの。ボクシングの試合だったら、対戦相手へ向けて強打をさせたりするもの。でも彼は、自分にほんの小さなことしか言わず、それが大きな違いを生んだんだ。」
ノーマンは、ワウリンカの一部分を向上させた。その象徴がフォアハンド。ワウリンカの特徴でもある片手バックハンドは、その時点で十分だと判断していた。
ノーマンとのコンビは徐々に成果が出始めた。2013年の全米オープンで自身初のグランドスラム準決勝進出を果たし、2014年の全豪オープンでは初めてグランドスラムでタイトルを獲得するまでに至った。
ワウリンカは「全仏オープンで勝てるとは思っていなかった。でも今、こうしてそれを達成した。今ではそれが出来るんだと言えるよ。」と現実を受け止め、その可能性を証明していた。
今ではシーズンを通して全ての大会に帯同するようになったノーマン。8日の夜はワウリンカと共に宿泊していたホテルで、家族や友人達と普通の食事をとりながら祝杯をあげた。
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