テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)は7日、男子シングルス決勝が行われ、第8シードの
S・ワウリンカ(スイス)が世界ランク1位で第1シード
N・ジョコビッチ(セルビア)を4-6, 6-4, 6-3, 6-4の逆転で下し、自身2度目のグランドスラム優勝を決めた。試合後の会見では話題を集めていたショートパンツを持参していた。
会見に現れたワウリンカは、今大会通して履いていたピンクのチェックのショートパンツを自身の前のテーブルに掛けた。大会期間中も水着のようだとかボクサーパンツのようだと語られ話題を集めていた。
「みんながこのショートパンツについて語っていたけど、自分はとても好きなんだ。きっと自分だけだね。ここローラン・ギャロスのミュージアムに飾られるだろう。だからいつでもこのショートパンツを見ることが出来ると思うよ。」とワウリンカはジョークを交えて語っていた。
幸運を導いてくれたこのショートパンツだが、3週間後に開催されるウィンブルドンでは白を基調にしたウェアーの着用が義務付けられているため、ワウリンカは履くことは出来ない。
「このショートパンツだけど、ウィンブルドンでは履くことを許してはくれないだろうね。」とワウリンカ自身もコメントしていた。
この日会場に訪れていた今大会3度の優勝を誇る
G・クエルテン(ブラジル)も、この日のワウリンカの優勝にかつての自分を重ねていた。
クエルテンが最初に優勝したのは1997年で、その時の彼は世界ランク66位だったが、3人のかつての優勝者を下してのタイトル獲得だった。その後クエルテンは2000年と2001年にも優勝していた。
「スタン(ワウリンカ)は自分が初めて優勝した1997年の時よりもかなり経験を積んでいる。でもあの時は、自分より確実に強いと思われていた選手達を倒さなければならなかった。今日の試合はそれに似ていた。ノヴァーク(ジョコビッチ)は誰よりも安定したプレーをしていて経験も豊富なんだ。それでも今日はスタンが勝っていた。」とクエルテンはワウリンカを称賛していた。
試合後のオンコート・インタビューでは、英語でもコメントを求められたが、全てフランス語で話していたワウリンカ。「この勝利をなかなか信じる事が出来ない。決勝戦でノヴァークと対戦するのは、最大のチャレンジの1つなんだ。」と、試合直後の興奮を表していた。
敗れたジョコビッチは「人生にはより大切な物がある。人格と尊敬さ。私はあなたを大いに尊敬している。あなたは素晴らしい心を持った偉大なチャンピオン。このタイトルに値する人間だ。」とワウリンカを一人の人間としても称賛していた。
握った2度目のマッチポイントで見事なバックハンドのダウン・ザ・ラインのウィナーを決めたワウリンカが、昨年の全豪オープンに次ぐ2度目のグランドスラム優勝を飾り、全仏オープン2015が幕を閉じた。
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