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今年10月に東京は有明コロシアムで行われた男子テニスの楽天ジャパン・オープンで初戦突破を果たした日本勢は、錦織圭(日本)と伊藤竜馬(日本)の2選手だった。本日はコラム第9弾 楽天ジャパン・オープンその2【「何を打っても入る」錦織】と【4強出揃う】をお届けします。
【「何を打っても入る」錦織】
2回戦で錦織圭は元世界ランク5位のT・ロブレド(スペイン)、伊藤竜馬はD・ツルスノフ(ロシア)とそれぞれ対戦した。
1回戦でN・アルマグロ(スペイン)を下す大金星をあげていた伊藤竜馬だったが、ツルスノフの強力なストロークに攻めきれず敗れたため、残る日本勢はエース錦織圭のみとなった。
錦織圭は2回戦のロブレド戦で第1セットを失うも、以降は本来のテニスを発揮し、逆転でベスト8進出を決めた。
次なる相手は、今年の全米オープンでR・フェデラー(スイス)に勝利していた強豪のT・ベルディフ(チェコ共和国)。試合前、錦織圭はベルディフについて「彼は攻撃的なフラットでどんどん左右に打ってくるので、相手の好きなパターンにならないように自分も工夫してやりたいと思います。」と、コメントしていた。
迎えた準々決勝、錦織圭は世界ランク6位のベルディフに対し、試合開始早々からエンジン全開で挑んだ。1回戦の添田豪(日本)、2回戦のロブレドの時のような硬さがなく、なにかが吹っ切れたかのように思い切りの良いテニスが展開され、ゲームカウント3-2と1ブレークアップとする。
その後ブレークバックを許しゲームカウント4-4となるも、錦織はベルディフに無理をさせミスを誘い、チャンスがあればすかさずウィナーを狙いにいく。そして、第11ゲームから2ゲーム連取した錦織が第1セットを先取する。
第2セットも錦織圭は安定感のあるテニス、さらにベルディフに対し華麗なパッシングショットや逆をつくショットなどを決め、有明コロシアムの観客を沸かせる。
そして、錦織圭のサービング・フォー・ザ・マッチのゲームで、最後ベルディフのリターンがアウトし、ゲームセットとなった。その瞬間、錦織圭は両手の拳を天に突き上げ、静かに喜びを噛みしめた。
両者は過去3度対戦し、錦織が2勝1敗と勝ち越していた。
準決勝進出を決めた錦織圭は「1・2回戦とは打って変わって感覚がすごい良くて、何を打っても入る状況だった。バックのダウンザラインも多く使って、左右に振るのを最初から考えていた。それが最初から上手くいって、後半までいい形で試合を終わらせられた。」
【4強出揃う】
ベスト4の顔ぶれは22歳の錦織圭、ロンドンオリンピック覇者のA・マレー(英国)、21歳ビッグサーバーのM・ラオニチ(カナダ)、そしてノーシードのM・バグダティス(キプロス)となった。
錦織圭は決勝進出をかけて、2006年全豪オープン準優勝者であり元世界ランク8位のバグダティスと対戦することになった。バグダティスとは今年のブリスベン国際男子で対戦し、その時錦織はストレートで敗れていた。
準決勝に向けて錦織は「思い切ったプレーが出来ればチャンスはあると思います。勝利を期待されているのは感じます。」と、意気込みを語っていた。
そして、優勝まであと2勝と迫った錦織圭の険しい道のりはさらに続く。
【続きは12月26日(水)】
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