男子プロテニス協会のATPは12日に公式サイトで、フェイズ・サロフィム&Co.米男子クレーコート選手権(アメリカ/ヒューストン、クレー、ATP250)に出場している選手らが、昨年8月にヒューストンに甚大な被害を起こしたハリケーンの復興支援を行ったと明かした。
ヒューストンを含むテキサス州南東部を中心に壊滅的な被害を与えたハリケーン「ハーヴィー」は豪雨により洪水となり、水は75センチ以上にまで上昇すると3万人を超える人々が避難を余儀なくされた。
大会主催者のB・グリーア氏は「我々に何かできないかという思いから始まった。何か変化を与えられるか?ヒューストンが元の状態に戻るために、どう助けられるかという思いからだった」と復興支援のきっかけについてコメント。
選手はグリーア氏と共に寄付を集い、今週彼等のコートやライブで見せてくれている。
B・ブライアン(アメリカ)、
M・ブライアン(アメリカ)、
F・ティアフォー(アメリカ)、
J・イズナー(アメリカ)、
S・クエリー(アメリカ)に加え
S・ジョンソン(アメリカ)もヒューストン中心にあるサニーサイド公園を訪れ、普段定期的そのコートで練習している将来を嘱望される40人のジュニアたちとラリーをした。
コミュニティ・センターが隣接したその公園も、昨年のハリケーンによって他のヒューストン地域同様、洪水の被害に遭っていた。そして溢れた水によってコートにヒビが入り、変色してしまったりと多くの損傷を負ってしまった。
ヒューストン・テニス協会のE・マーティン氏は「この近辺は多大な被害を受けたエリア。多くの子供たちが毎週のようにここで生活していた。誰にとっても本当に苦しい時だった」と当時を振り返った。
しかし、ヒューストンはそんな天災から復興し、コートもすぐに修復される予定。選手たちは19,500ドル(約210万円)を寄付し、その寄付金はサニーサイド公園にある2つのコートの修復に使われる。
ティアフォーは「テニスより大切なこと。あちこちで悲惨なことが起きた。スポーツはそういうためのものであり、協力し合うためのもの。人々を1つにできる」と思いを語っていた。
20歳のティアフォーにとっても特別な訪問となった。ティアフォー自身も公共のコートで練習して育ち、マーティン氏がメリーランドで働いていた時に練習した経験があった。
「テニスを始めた頃を思い出す。とても質素なスタートだった。お返しができるような人になれるように、毎日ベストを尽くしている。なぜなら、とても多くのことを与えられたし、それは本当にラッキーだった」と語るティアフォーは、ジュニアたちがボールを速くヒットし、多くのトップ・スピンのボールを打つ技術レベルの高さに驚かされていた。
イズナーも「ここでの時間をみんな楽しんだ。我々ができる最小限のこと。復興のプログラムの一部となれたことは、私たちにとって敬う気持ち」と話した。
また、ブライアン兄弟もイズナーやティアフォーのように、グランドスラムやATPマスターズ1000へ出場するまで、そのプログラムで練習していた。37度ATPマスターズ1000を優勝した今でもブライアン兄弟はそのことを忘れていない。
マイクは「僕らの基金からの寄付がコートの修復に役立てられ、そのことがコミュニティに大きなインパクトを与えてくれたらと願っている」とコメント。
ボブも「来年も戻って来る。ヒューストンにはもう20年も来ている。すぐに引退などしない。新しい施設を見に戻って来るし、このジュニアが素晴らしい選手になることも願っている」と思いを述べた。
「自分はとても良い選手。もちろん彼等ほどではないが、とても上手いと思う」と語るのはプロとラリーをした14歳のZ・スミス。
サニーサイド公園で練習している他のジュニア同様、スミスもプロ選手たちがこうして時間を割いて訪問してくれたことに感謝している。「将来すごいことをやれると示してくれて、とても刺激になっている」と感謝の気持ちを口にした。
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