男子テニスで世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)や
V・ポスピシル(カナダ)らが2020年に設立した選手の意見をよりクリアに反映させるための組織PTPA(プロテニス選手協会)は12日に声明を発表。テニスの不正を監視することを目的とした機関、ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)が同日、女子テニスで元世界ランク1位の
S・ハレプ(ルーマニア)に対し、4年間の資格停止処分を決めたことに関し意見をつづった。
>>ハレプから禁止成分ロキサデュスタットが検出された理由と経緯<<2022年10月21日にITIAは四大大会2勝を含むツアー通算24勝を誇るハレプがドーピング検査で陽性反応を示したことを発表。ITIAは同年9月の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で採取した検体から使用が禁止されているロキサデュスタットが検出されたとした。
昨年10月の発表からハレプは一貫して禁止薬物の摂取を否定。コーチであるパトリック・ムラトグルー氏も無実を訴え続けてきた。約11ヵ月間にわたり聞き取り調査や更なる検査などをしたITIAは12日に結果を発表。暫定的な出場資格停止となった昨年10月7日(発表は21日)から換算して4年間の公式戦出場停止処分を決定した。
また、ITIAは昨年の全米オープンで検出された以外にもう1点不正があったと報告。それはアスリート・バイオロジカル・パスポートの不正に関することで、スポーツ選手から経時的に検体を採取し解析するこの方法で検査を進めるなか、ハレプから提出されたものに不正があったとした。具体的な不正内容は明文化されていないが、上記2点においてITIAの心象を悪くし、4年間もの出場停止処分が言い渡されてしまった。
PTPAは男子プロテニス協会のATPや女子テニス協会WTAから独立した組織として設立され、選手の選手による選手のための組織として活動をしている。これまでPTPAはハレプのドーピング問題について静観の立場にいたものの、4年間の出場停止処分が下った12日に声明を発表した。
「プロテニス選手協会として、我々はあらゆる事例において選手の権利を断固としてサポートし、保護する。これにはアンチドーピング訴訟における適正手続きと上訴権の行使が含まれる。シモナ・ハレプの事案で繰り返された説明のつかない遅延は不公平であり、容認することはできない」
「PTPAは、これからの控訴において彼女を全力でサポートし、支援を必要とするすべての選手をサポートすることに全力で取り組む。PTPAの原則にも示されているように、我々は今後もすべての人の利益のために、プロセスの改善を提唱し続ける」
現在31歳のハレプは今月末に32歳を迎える。2026年10月の復帰時には35歳となり、仮にこの期間競技復帰できない場合はとてつもなく大きな数年間となる。
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