男子テニスツアーのマスターズ大会であるBNLイタリア国際男子(イタリア/ローマ、レッドクレー、賞金総額3,830,295ユーロ/優勝賞金628,100ユーロ)は15日、男子シングルス準々決勝が行われ、第5シードの
錦織圭(日本)は世界ランク1位で第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)に3-6, 6-3, 1-6で敗れ、マスターズ大会初優勝をジョコビッチに阻まれる結果となった。
両者は今回が6度目の対戦となり、錦織が敗れたことによって対戦成績を2勝4敗となった。
この試合、第1セットは序盤から安定したストローク戦に加えてネットプレーも織り交ぜてくるジョコビッチに錦織はおされてしまい、ゲームカウント0-3とリードを許す。その後も左右に揺さぶられた錦織は凡ミスを犯すなどで流れを引き戻せず、第9ゲームではブレークチャンスを握るもチャンスを活かせず、このセットを落とす。
第2セットに入ると、錦織は徐々にペースを掴み始め、第6ゲームでこの試合初めてブレークに成功、続く第7ゲーム、得意のバックハンドでジョコビッチを攻め立ててサービスキープ。ゲームカウント5-2とリードすると、第9ゲームで錦織は攻めの姿勢でラリー戦を制し、第2セットをもぎ取る。勝敗はファイナルセットへと持ち越された。
運命を分けるファイナルセット、第4ゲームでジョコビッチは得意のバックハンドのドロップショットを使い始める。それが影響したのか、錦織は凡ミスを犯してしまい、ブレークを許してしまう。
その後もジョコビッチの勢いを止められなかった錦織、最後はリターンミスで幕を閉じた。
今回、錦織とジョコビッチがクレーで対戦するのは、初対戦となった2010年の全仏オープン以来。クレーではまだ1敗しかしていない錦織と、今シーズンは圧倒的な強さで勝ち進んでいる王者ジョコビッチの一戦は、全仏オープンへ向けて大一番の試合となったが、準決勝への切符の手にしたのはジョコビッチとなった。
錦織がジョコビッチに勝利、さらに今大会で勝ち進んだ場合は24日からの全仏オープンに第4シード以内での出場の可能性があった。第4シードの
R・ナダル(スペイン)が今大会で優勝した場合、世界ランキングでトップ4に返り咲くと同時に、全仏オープンで第4シード以内での出場となる。
今季のクレーコートシーズンで錦織は、バルセロナ・オープン・バンコ・サバデルで2連覇を達成、その後のムチュア・マドリッド・オープン男子ではマスターズ大会初優勝を狙い準決勝まで勝ち進むも好調の
A・マレー(英国)に敗れて準決勝で姿を消すこととなった。
一方、今回勝利した王者ジョコビッチは今シーズン、1月の全豪オープンで優勝を飾ると、その後のBNPパリバ・オープン男子、マイアミ・オープン男子、モンテカルロ・ロレックス・マスターズとマスターズで3大会連続優勝を果たすなど、圧倒的な強さを見せている。
今年、念願の生涯グランドスラム達成(全豪・全仏・全英・全米の四大大会全てで優勝)を狙うジョコビッチは、未だタイトルの無い全仏オープンで優勝を果たすべく、前哨戦の1つである今大会で2連覇して勢いをつけたいところ。
勝利したジョコビッチは、第7シードの
D・フェレール(スペイン)と対戦する。
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