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Vol.9 スライスで翻弄せよ

いまテニスはトップスピン(以下スピン)が全盛だ。とくにトップレベルでは威力が優先され、スライスが減少している。ただだからといって、スライスの重要性が失われたわけではない。逆にだからこそ、その使いでと使いどころが再認識されつつある。スライスは強打やネットプレイと対峙してこそ、その真価を発揮するからだ。そこで今回は、そのスライスに焦点を当てた。効果や使用法、技術的なコツを紹介。まとめとして、対戦相手別にスライスだけのコンビネーションを記してみた。
まず最初に、スライスの効果や使用法をここで再確認してみよう。上の写真1を見てほしい。これはスライスを打った直後のシーン。打球後に素早く逆サイドに戻る体勢を整えている。これはスライスならでは。フルスウィングのスピンではこうはいかない。オープンスペースを作らないという効果が期待できるわけだ。写真2は相手の強打をダウン・ザ・ラインに流した場面。スライスはスピンに比べ、コースを変えるのが簡単。その利点を生かせば、強打者を振り回すことも可能だ。また、力強い手首の形を作りやすいので、強打に遅れたり、打ち負けたりすることも少ない(写真3)。
サンプラスのビッグサーブに対するブロックリターン
速く滑ってくるサーブに対して、腕とラケットを一体化し、力強い形を作って、ブロックするようにリターンするサンプラス。スライスのいくつかあるバリエーション的なショットのひとつ

写真4はスライスのノーマルなワンシーン。だが同じフォームからロブも考えられる。スピンに比べて、技術的にシンプルに相手の虚を突くこともできるのがスライスのメリットのひとつだ。また、スピンは細かなフットワークが求められるが、スライスは下半身の細かな動作を省略することもできる。つまりテニスの省エネ化にも貢献できるショットなのだ(写真5)。

スライスは低い打点と高い打点(写真6)の両方に対応できるメリットもある。高い打点は、強打を切り返すときに大きな武器となる。高く跳ねる相手のボールの力を最大限利用できるからだ。低い打点は守備的な意味合いが強い。また高低だけではなく、打点を前後に調整もできる特徴もある。もちろん身体の前でインパクトするのが理想だが、多少、深いボールに差し込まれても、打点の微調整で対応することが可能なのがスライスなのだ(写真7)。
深いボールに対して打点を後ろにとったロディックの守備的なスライス
深いボールをライジングで処理しているロディック。打点はほぼ身体の真横で、かなり差し込まれている。それでも最大限、前にスウィングしボールに威力と飛距離を与えている。打点を前後に調整できるスライスならではの対処法だ

写真4ではロブとの併用を紹介したが、逆の例ももちろん考えられる。短く落とすショット、つまりドロップショットだ(写真8)。飛距離をほぼ同じフォームから自在に調整できるのは、スライスの大きなアドバンテージといえるだろう。ネットに出る手段として、スライスを手持ちのショットにしておくことも必要だ。現在はスピンをアプローチに使う風潮が強いが、そればかりでは一本調子になりかねない。スピン主体だとしても、アクセントとしてスライスのアプローチ(写真9)をマスターすべきだ。

モレスモのオープンスペースを作らない打球後のフットワーク
打球後に左足を出して素早く逆サイドに戻る体勢を整えているモレスモ。下半身をフルに使わなくてもいいスライスならではのフットワーク。トップスピンではこうはいかない。オープンスペースを作らないという効果が期待できる
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(テニスジャーナル 2004年1月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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