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Vol. 18 あなたのボレーはシングルス向き?ダブルス向き?



タイプを自覚して、さらに上級者に

ダブルスではうまくボレーできるのにシングルスではうまくいかない。その逆で、シングルスでのボレーは得意なのに、ダブルスでは苦手という人はいないだろうか。じつはボレーにはシングルス向き、ダブルス向きの2種類がある。ここではそのタイプ分けと、苦手克服のヒントを紹介する。

たとえばダブルスの6ゲームマッチでゲームカウント4−4、あなたのサーブで30オールという状況になったとしよう。それでもあなたは何のためらいもなく、ネットダッシュできるだろうか。もしそうならあなたはダブルス派で、そのボレーはダブルス向きといえる。結果にかかわらず、前に出て勝負をつけようという自信がそこにはうかがわれるからだ。

いっぽう、ネットダッシュをするにはするが、相手のミスをかなり期待してしまうあなたは、どちらかといえばシングルス派。技術的に苦手、得意にかかわらず、そのボレーはシングルス向きである可能性が高い。もしかすると、ネットダッシュは「ダブルスだから」と義務的に行なっているだけかもしれない。

もちろんシングルスのボレーとダブルスのボレーには、技術的な差、心構えの差がある。ここではその差をプロの連続写真を例に紹介していくが、ただそうした差以上にタイプを分けるのが、じつは前述のような緊迫した場面。それでも前に出れるのか出れないのか、あるいはためらいを感じるのか。あなたのボレーがシングルス向きかダブルス向きかは、それ次第という側面もある。

ただいずれにせよ、自分がどちらのタイプかを自覚することは大切だ。自覚できれば、技術的な違い、心構えの違いなどもおそらく実感できるはず。するとおのずとどちらの種目でも対応が可能となってくる。たとえば、シングルス派がいかにして自分のボレーをダブルスで生かすか、ダブルス派がいかにして自分のボレーをシングルスに転用させるか。応用が可能となってくるのだ。

もちろんボレー上級者になれば、シングルス(以下S)でもダブルス(以下D)でもそつなくこなすはず。とはいえ、タイプの傾向はある。それを自覚できれば、さらにレベルアップも可能だ。今回の特集をそのヒントとしてほしい。


SとDでは、テイクバックの大きさが違う

象徴的なのがスウィングボレーとポーチボレー

SとDのボレーの基本的な違いは、そのテイクバックの大きさだ。威力重視のSでは大きく、配球重視のDではコンパクトにというのがセオリー。スウィングボレーとポーチボレーがそれぞれの象徴的なショットだ。

Sのボレーに威力が必要なのは、相手のパス能力が高まっているため。Sではボレー1本で決めなければ逆襲を食らいかねない。身体の使い方もそれに合わせてダイナミックだ。より大きくて速いスウィングが求められる。

その点Dでは逆襲のリスクはSほど大きくはない。自分はセーフティに返し、相手が仕かけざるを得ないような状況に持ち込むことが必要。したがって動きも最小限。余計な動きを抑えてミスを減らさなければならない。ポーチには多少リスクがつきものだが、それでも大振りする必要はない。

自分がどのような意識でボレーを打っているのか。まずこのふたつの点から見つめ直してみてほしい。

サフィンのダイナミックなスウィングボレー
天性のボレーヤーが少なくなりつつあるプロの世界では、逆にこのショットを多用する選手が増えている。厚いグリップ、大きなテイクバック、ダイナミックなフルスウィング。ストロークと同じ感覚で打てるからだ。シングルスでオープンコートを狙うときに有効だ
サフィンのダイナミックなスウィングボレー

トーマス嶋田の動きを抑えたダブルスでのファーストボレー
とりあえず返し、相手に仕かけさせることが大事なダブルスでのボレー。配球重視のため、嶋田の動きも控えめだ。もしシングルスならば、8コマ目でもう少し右肩が入って、テイクバックが大きくても構わない。しかしダブルスではこの程度のテイクバックで十分だ
トーマス嶋田の動きを抑えたダブルスでのファーストボレー

「SとDでは、ひとつ前のショットの意味が違う」>>

(テニスジャーナル 2004年9月号)
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