コラム第3弾は、男子テニスツアーで2月に行われたメンフィス・オープン。当時世界ランク5位の
錦織圭(日本)は決勝で
K・アンダーソン(南アフリカ)を6-4, 6-4のストレートで下し、自身初、更に大会史上初の3連覇を成し遂げた。
2013年に大会初優勝を飾った錦織。その時は第5シードで出場しており、1回戦で
I・マルチェンコ(ウクライナ)、2回戦で
D・ヤング(アメリカ)、準々決勝で
M・チリッチ(クロアチア)、準決勝で
M・マトセビッチ(オーストラリア)、決勝で
F・ロペス(スペイン)をいずれもストレートで下してのタイトル獲得だった。
これは自身3度目の優勝でもあり、2013年に獲得したタイトルはこのメンフィス・オープンのみ。当時は世界ランク22位で、まだトップ10入りを目指していた時期だった。
翌年の2014年、前回チャンピオンとして挑んだ錦織は第1シードで出場。自身初の2連覇がかかっていたこともあり、周囲からの期待は大きかっただろう。そのプレッシャーの中、決勝まで勝ち進み
I・カルロビッチ(クロアチア)と対戦。カルロビッチとは当時2度対戦しており2戦全敗だった。
しかし、この日の錦織はこれまでと違い、ビッグサーバーのカルロビッチ相手に第1セットの第3ゲームでブレークに成功。成長を感じさせる試合を展開し、1度もブレークを許さずに自身初の連覇を果たした。
そして迎えた今年のメンフィス・オープン。錦織にとっては大会史上初の3連覇への挑戦。しかし、錦織には相当なプレッシャーがかかっていたのだろう。
初戦となる2回戦では予選勝ち上がりで当時世界ランク165位の
R・ハリソン(アメリカ)と対戦するも第1セットを3-6で落とす展開に。その後は逆転に成功して駒を進めるが、続く準々決勝で
A・クライチェック(アメリカ)に4-6, 6-3, 6-4、準決勝の
S・クエリー(アメリカ)に5-7, 7-6 (7-5), 7-6 (7-5)とギリギリの試合展開で、錦織のプレーにはどこか硬さが見えた。
しかし、決勝戦は違った。アンダーソンと優勝をかけて対決した錦織には何かが吹っ切れたような雰囲気が感じられ、錦織らしい攻撃的がプレーが光った。終始主導権を握り、今大会初のストレート勝利だった。
アンダーソンのフォアハンドがラインを割り勝利が決まった瞬間、錦織は陣営の元へ真っ先に駆け寄り、ハイタッチをして喜びを共有した。試合を終えた錦織は安堵した様子だった。
自身初、そして大会史上初の3連覇を成し遂げた錦織は来季、更なる快挙に挑戦するのだろう。
第4弾はクレーコートシーズンについて、12月17日配信予定。
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