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テニスのグランドスラムであるウィンブルドンで、77年ぶりのイギリス人チャンピオンとなったA・マレー(英国)が、ドーピング違反から出場停止処分を下されたV・トロイキ(セルビア)とM・チリッチ(クロアチア)に対して、プロ意識に欠けると厳しい見解を示した。
トロイキはドーピング検査を受ける際、体調不良から血液サンプルの提出を翌日へと延期してもらったが、その行為がドーピング・ルールに違反しているとして、18カ月の出場停止処分を下され、今週それが12カ月へと減刑されていた。
トロイキは検査当日、体調が悪かった事を検査官へ伝えると、レポートを提出すれば翌日へ延期出来るとの説明を受けそれに従っただけと無実を主張していた。翌日に提出された血液サンプルからは、禁止薬物などの反応は出ていなかった。
一方、チリッチは実の母親がフランスの薬局で購入したサプリメントを服用。そのサプリメントには禁止薬物が入っていたが、フランス語が読めなかったチリッチはそれを知らずに摂取してしまったと主張した事が受け入れられ、9カ月の出場停止処分が4カ月へと減刑されていた。
しかしマレーは、例えどんな状況であれ、定められたドーピング・ルールを守る事がプロとしての正しい姿勢であると持論を語った。
「どちらの選手も、わざとやったかそうではないかは関係ない。それはわからない事だし、そんな事をする選手だとも思わないが、いずれの選手もプロ意識に欠けていると思う。個人としては、他の国へ行ってその地にある薬局でサプリメントなどは買わない。その行為自体がプロとしてそぐわない。」
「10年や15年前にここまでドーピング違反が厳しくなかった時代には、その辺の薬局で薬を買って飲んでいたかもしれない。でも、今はそんな事はしてはいけないし、それを受け入れてはいけない。」とマレーは、チリッチのケースについて述べていた。
「トロイキの場合、部屋の中でどんな会話がなされたかはわからないが、現実問題としてそこにはドーピング・ルールが存在し、それに従わなければならない。検査を今やると言われたら、選手はただそれに従うのみ。」と、トロイキの主張に対しての意見を語った。
「ドーピング検査が正しい方向へ向かっている事に喜びを感じる。検査も多くなっているし、血液検査も以前より多くなっている。その事に対しては、全くもって例外を許すべきではない。」
「もしそうしなかったら、何とか逃れられると考えてしまう人がいるかもしれない。」と、現行のドーピング検査へ肯定的な意見を持っている事を明かした。
数日前、17度のグランドスラム優勝を誇るR・フェデラー(スイス)は、より多くのドーピング検査が必要だとする意見を明かしていた。
「十分な検査回数を受けていないような気がする。バーゼル大会でも、パリのマスターズ1000大会でも検査はされなかった。今週の最終戦の初戦の直後にやっと検査があった。」
「以前はもっと多かったと思う。2003・2004年の頃は、年間に25回位検査させられたと記憶している。それに比べたら今年はかなり減ったような気がする。」と、更なる検査を求めていた。
テニスというスポーツをクリーンなものにするために行われているドーピング検査。抜き打ちで行われるため、選手はどこにいるかを明確にする事も義務付けられている。
今回の処分には色々な意見や見解が語られているが、マレーは現行のドーピング・ルールには、どんな事があっても選手は従うべきだという強い意思を持っている。
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(翻訳・記事/弓削忠則)
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