Vol. 14 流れや展開を読む 上巻
選手の成長過程を目の当たりに1990年代、テニスのテレビ中継といえば、グランドスラムの4大会がそのほとんどだった。しかし今ではBSやCS、それにケーブルテレビなど中継環境が整備され、日本開催の大会はもちろん、海外のツアーシリーズもカバーされ、多くのテニス・プログラムを楽しめるようになった。 しかもBSやCSは地上波とは一線を画し、たっぷりと放送枠が用意されている。最初から最後までひとつの試合、ひとつの大会を楽しめるようになっているわけだ。その結果、試合の流れや駆け引き、戦略的な布石、ターニングポイントなどが手に取るようにわかる、というケースも珍しくなくなった。また選手の成長過程を1年を通して目の当たりにすることもできるようになり、一般の愛好家、とくに本誌のようなテニス誌の愛読者には、願ってもない状況だといえるだろう。 実戦不足を補う試合観戦
競技としてテニスに取り組むジュニアにとっても、それは同じだ。かつては海外に遠征しない限り、その場の様子や雰囲気を知ることはできなかった。また毎週のようにトッププロたちのプレイや組み立てを観察し、参考にすることはできなかった。番組を通してではあるが、今ではそれが可能になっているわけだ。 とはいえ、ただ漠然と見ているだけでは、そうした効果は期待できない。番組を楽しむだけに終わってしまいかねないのだ。そうではなく、シミュレーションとして番組での試合を利用し、自分のテニス向上に役立たせることが大切だ。 そこで今回は、漠然としないためにどのような点に注意して観戦すればよいのかを紹介してみたいと思う。試合の流れやターニングポイント、強いプレイヤーがたたみかけるように攻勢に出るタイミング、また有利な展開、不利な展開、逆転の可能性、試合のまくり方などだ。 さらに展開や組み立ての核となるショットやエースのひとつ前のショット、それらの意味や効果なども興味深いところだろう。プロの試合にはそうした貴重な情報が満載だが、その見きわめ方にスポットを当てる。一般愛好家にとっては、実戦の経験不足、かつパワー不足を戦略で補える絶好のチャンスともいえる。今後の試合観戦の参考にしてもらいたい。 では次のページではまず、試合の流れの見きわめ方を紹介してみたい。
(テニスジャーナル 2004年4月号) |
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