男子テニスのマイアミ・オープン男子(アメリカ/マイアミ、ハード)は3日、シングルス決勝戦が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第6シードの
錦織圭(日本)を6-3, 6-3のストレートで退け、3連覇と同時に大会最多優勝に並ぶ6度目の優勝を飾った。
>>マイアミ・オープン 対戦表<<決勝戦、最後は錦織のフォアハンドがフレームショットするとジョコビッチはネットへ近付き、飛び上がって喜びを表現した。
その後に行われた表彰式でジョコビッチは、19歳で初めてマスターズ大会で優勝したこの大会のことを思い出していた。
「この大会には特別な繋がりがある。2007年にテニス人生で初めてビッグ・タイトルを獲得した大会。今後も同じようなことが続いてくれると切に願っている。」と語った。
マイアミ・オープン男子で6度目の優勝は、元世界ランク1位の
A・アガシ(アメリカ)が持つ最多優勝に並ぶものとなった。
しかし、ジョコビッチの好調はこの大会に限ったことではなかった。今季はここまで28勝1敗で、その唯一の敗戦もドバイ大会の準々決勝で目の炎症のために
F・ロペス(スペイン)との試合を途中棄権した時だった。
マスターズ大会28度目の優勝は、これまで
R・ナダル(スペイン)と並んでいた最多優勝の27度を塗り替えるものとなった。今大会直前のBNPパリバ・オープン男子と2大会連続優勝もこれで3年連続となった。
ジョコビッチはこの日の勝利がキャリア通算714勝目となり、これは現在のコーチである
Bo・ベッカー(ドイツ)を超え、オープン化以降歴代11位の記録となった。
「それは1番重要な事実。」とジョコビッチは微笑みながらコメントした。
第6シードの錦織はこれでジョコビッチに6連敗となり、サービスの不調が目立つ試合内容となった。試合を通して5度のダブルフォルトを犯し、セカンドサービスをジョコビッチに攻められ5度のブレークを許してしまった。
錦織は第2セット途中でトレーナーを要求し、左足に処置を施すシーンがあった。しかし、錦織の最大の問題はコートの向こうにいた対戦相手だった。
準優勝の錦織は「次回は仕返ししたいと思う。」と語ると、その後マイクを手にしたジョコビッチは「そうならないことを願う。」とジョークで返すやり取りがあり、会場から笑いを誘った。
錦織は続けて「ノヴァーク(ジョコビッチ)との対戦は常にタフ。自分のプレーも悪過ぎたわけではなかったけど、同時に彼は最高のテニスをしていた。とても粘り強く、ほとんどミスをしなかった。」とジョコビッチを称賛した。
今大会でジョコビッチは1セットも落とさない完全優勝を飾ったが、そんな中でも決勝戦にピークを合わせていたと話す。
「インディアンウェルズとマイアミでの最高の2試合は、いずれも決勝戦でのプレーだった。それには本当に満足している。」
この優勝でジョコビッチは103万ドル(約1億1,500万円)を手にし、
R・フェデラー(スイス)が持つATPツアー獲得最多賞金額を超える9,820万ドル(約109億5,000万円)とした。
ジョコビッチは4日、拠点を置くモンテカルロへ帰る。そのモンテカルロにて1週間後に行われるマスターズ大会で、ジョコビッチは今年のクレーコート・シーズン初戦を迎える。これまで11度のグランドスラム優勝を持つジョコビッチだが、そのクレーコートで行われる全仏オープンだけが唯一優勝出来てない。
「クレーコート・シーズンの始まりには多大なモチベーションを感じている。そして、そのシーズンを全仏オープンでの優勝で締めくくれたらと願っている。もちろん、優勝を狙っているのが自分だけではないことは分かっている。」と厳しい道のりであることを認識していた。
(STATS - AP)


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