テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は5日にミドル・サンデーを迎えた。大会1週目は男子で第5シードの
錦織圭(日本)が2回戦棄権、第10シードの
R・ナダル(スペイン)は世界ランク102位の格下
D・ブラウン(ドイツ)に2回戦で敗れた。女子では、昨年覇者で第2シードの
P・クヴィトバ(チェコ共和国)がまさかの3回戦敗退、第3シードの
S・ハレプ(ルーマニア)は初戦敗退など波乱が続出した。
ミドル・サンデーとはウィンブルドン伝統の休日で、第1週と第2週の間の日曜日は試合が行われないのが恒例となっている。
【錦織の棄権】
1日、世界中に衝撃を与えるニュースが飛び込んできた。
松岡修造(日本)以来 日本男子20年ぶりのベスト8、さらに四大大会初優勝を狙っていた第5シードの錦織が左ふくらはぎの負傷により2回戦棄権。
無理もなかった。錦織はこの半年間エンジン全開で走り続け、今年だけで今大会を含め13大会をこなし、錦織の体は悲鳴をあげていた。
前哨戦で痛めた左ふくらはぎ。とどめを刺したのは
S・ボレッリ(イタリア)との1回戦。この試合で錦織は3時間22分に及ぶ死闘を強いられた。辛くも初戦突破を果たしたが、錦織に戦う力は残されておらず「一昨日の試合(ボレッリ戦)を3セットで終わらせていれば」と話すほど左ふくらはぎは限界に達しており、棄権する決断に至った。
今後、錦織は約1カ月後に行われるシティ・オープンへの出場を予定している。
【窮地に立たされたナダル】
2日、センターコートでどよめきが起きた。
2度の優勝を誇る第10シードのナダルが格下のブラウンに5-7, 6-3, 4-6, 4-6で敗れ、2回戦で姿を消した。
2008・2010年のウィンブルドンでタイトルを獲得しているナダルだが、2012年からは世界ランク100位台の選手に敗れており、今年も波乱の渦に巻き込まれた。
試合後「またあのレベルに戻れるか、自分でもわからない」と、コメントするほどナダルは落胆していた。
また、
N・ジョコビッチ(セルビア)、
R・フェデラー(スイス)、
A・マレー(英国)が順当に勝ち進む中、BIG4のうちナダルだけが3回戦を前に姿を消した。「ナダル伝説」終焉とまで囁かれ始めている中、世界中からナダルの復活劇が期待されている。
一方、ナダルを破る金星をあげたブラウンは、3回戦で第22シードの
V・トロイキ(セルビア)にセットカウント1-3で敗れた。
【波乱続出の女子】
4日、ディフェンディング・チャンピオンで第2シードのクヴィトバが元女王
J・ヤンコビッチ(セルビア)に逆転負けを喫し、2連覇と大会3度目の優勝を逃した。
大会2日目の30日は第3シードのハレプ、昨年準優勝を飾った第12シードの
E・ブシャール(カナダ)が初戦で姿を消す波乱が起きた。第7シードの
A・イバノビッチ(セルビア)は2回戦敗退。
一方、第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)は波乱に巻き込まれかけるも、地元
H・ワトソン(英国)をフルセットの末に下して辛くもベスト16へ進出。第4シードの
M・シャラポワ(ロシア)は1セットも落とさずに4回戦進出を決めている。
【日本勢の挑戦】
錦織の他にも日本から
添田豪(日本)が本戦ストレートイン、
守屋宏紀(日本)と
杉田祐一(日本)は厳しい予選3試合を勝ち抜き本戦入りを果たした。
添田は1回戦では第17シードの
J・イズナー(アメリカ)と対戦。イズナーの強力なフォアハンドを封じようとバックハンド側にボールを集めた。しかし、208センチからの角度あるサービスに対応出来ず、ストレートで敗れた。
守屋は昨年の全米オープン覇者である第9シードの
M・チリッチ(クロアチア)に挑戦。第3セットはタイブレークへ持ち込むも、格の違いを見せつけられた。
杉田は
B・カブチッチ(スロベニア)と対戦。2セットダウンに追い込まれるも、第3セットではサービング・フォー・ザ・セットを迎える。しかし、ダブルフォルトや凡ミスを重ねてしまったことが影響してチャンスを活かせず、結果的にストレート負けとなった。
女子では
奈良くるみ(日本)が2回戦で第2シードのクヴィトバに完敗、
土居美咲(日本)は初戦で第17シードの
E・スイトリナ(ウクライナ)に逆転負けを喫した。
44歳の
クルム伊達公子(日本)は予選1回戦で敗れるも、
F・スキアボーネ(イタリア)とのダブルスでは初戦突破。2回戦では第1シードの
M・ヒンギス(スイス)/
S・ミルザ(インド)組に完敗した。
ダブルスにはクルム伊達の他にも奈良、土居、
青山修子(日本)が出場したが、初戦で敗れた。
【8強入りをかけた大会7日目】
6日には男子から第1シードのジョコビッチ、第2シードのフェデラー、第3シードのマレーのBIG4がベスト8進出をかけて4回戦に登場する。また、BIG4の対抗馬で第4シードの
S・ワウリンカ(スイス)、期待が寄せられる第26シードの
N・キリオス(オーストラリア)らも4回戦を戦う。
女子では第1シードのセリーナと姉の
V・ウィリアムズ(アメリカ)の姉妹対決がセンターコートの第1試合に予定されている。第4シードのシャラポワや第5シードの
C・ウォズニアキ(デンマーク)も登場予定。
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