テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は1日、
S・ヒラルド(コロンビア)との男子シングルス2回戦を第5シードの
錦織圭(日本)は左ふくらはぎの負傷により無念の棄権。今季13大会目となったウィンブルドンで、錦織を襲ったのは過酷なツアースケジュールだった。
2015年シーズンがスタートして半年が経ち、錦織はエンジン全開で走り続けてきた。
1月はブリスベン国際、全豪オープンの2大会、2月は3連覇達成のメンフィス・オープン、アビエルト・メキシコ・テルセルの2大会、3月は国別対抗戦のデビスカップ、BNPパリバ・オープン、マイアミ・オープンの3大会。
ヨーロッパのクレーシーズンに入ると4月は2連覇達成のバルセロナ・オープン1大会、5月はマドリッド・マスターズ、ローマ・マスターズ、全仏オープンの3大会、そして6月はゲリー・ウェバー・オープン、ウィンブルドンの2大会と、半年だけで13大会をこなしてきた。
錦織の体に異変が起きたのは今季12大会目となったウィンブルドン前哨戦のゲリー・ウェバー・オープン。準々決勝で痛めた左ふくらはぎは準決勝までに回復せず棄権となった。この棄権は、昨年
R・ナダル(スペイン)と激突したマドリッド・マスターズ決勝以来だった。
ゲリー・ウェバー・オープンの棄権について、自身の公式ブログで「普通に歩くことさえできない状態でした。」と、綴るほど錦織はガス欠状態だった。
ゲリー・ウェバー・オープンから約1週間後、今季13大会目となったウィンブルドンでは2回戦を前に棄権を申し入れた。
とどめを刺したのは1回戦の
S・ボレッリ(イタリア)との戦い。この試合で錦織は3時間22分に及ぶ死闘を強いられた。辛くも初戦突破を果たしたが、錦織に戦う力は残されておらず「一昨日の試合(ボレッリ戦)を3セットで終わらせていれば」と話すほど左ふくらはぎは限界に達していた。
左ふくらはぎの負傷は、クレーから芝へのサーフェス転換も要因の1つ。芝はイレギュラーが起きやすく、選手は思いもよらぬところへバウンドするボールに対応しなければならない。さらにハードやクレーに比べると、ボールは滑りやすく弾みにくいため、より膝を曲げる動きが求められる。
今季の芝シーズンに幕が下りてしまったが、今後は錦織が得意とするハードコートでの戦いが待っている。
特に、昨年初のグランドスラム決勝進出を果たした全米オープンには期待が寄せられる。
次回、錦織は約1カ月後に行われるシティ・オープンへの出場を予定している。
(コメントはWOWOWから抜粋)【ウィンブルドン 男子シングルス対戦表】
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