男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は11日、グループBの予選ラウンドロビン2試合目が行われ、第2シードの
R・フェデラー(スイス)が第4シードの
錦織圭(日本)を6-3, 6-2のストレートで退け2勝目を上げ、準決勝進出へ大きく前進した。
昨年はシーズンを通してわずか1大会でしか優勝を飾れず、45勝17敗の成績だったフェデラーは、もう彼の時代は終わったとも言われていた。
しかし今季、ウィンブルドンの決勝戦では世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れはしたものの準優勝を飾り、5大会でタイトル獲得を果たした。
最終戦までの成績を68勝11敗と見事な復活を遂げている。
この日の勝利で今季70勝目を飾ったフェデラーは「それは素晴らしい数字だね。」と自身の好成績を認めている。
今季このまま世界ランク2位でシーズンを終えると、シーズンをトップ2で終える最年長記録となる33歳のフェデラーだが、ジョコビッチを抜き1位でシーズンを終えられる可能性も残されている。しかしながら、ポイントでリードしているジョコビッチは、残るラウンドロビン2試合に勝利すると、フェデラーの結果に関わらず1位で今季を終える事が決まる。
「ノヴァーク(ジョコビッチ)はとても良い状態にいると思う。自分に取って世界ランク1位でシーズンを終える事が目標ではない。今目指しているのは、この最終戦での優勝とその後のデビスカップで良いプレーをすると言うこと。」と語るフェデラー。
「ランキングと言うのは結果に着いてくるもの。今はただ試合に勝つことだけに喜びを感じている。」と現在の気持ちも加えていた。
去年フェデラーは、前年度チャンピオンとして臨んだウィンブルドンではまさかの2回戦敗退を喫し、全米オープンでも4回戦敗退と、ランキングも7位にまで落としていた。シーズンを通して腰の故障に苦しめられ、トップ10選手からわずか4勝しか上げられなかった。
今シーズンはその腰の状態も癒され、元世界ランク1位の
S・エドバーグ(スウェーデン)氏をコーチに招いたフェデラーは、新しいラケットにも慣れ、自身のテニスを以前より多くネットへ出るプレースタイルへと変化させていった。そしてそんな変化が結果に繋がり始めたのだった。
全豪オープンと全米オープンではベスト4入りを果たし、先月行われた上海でのマスターズ大会では23回目となるマスターズ優勝も飾っていた。
この日の試合で敗れた錦織は「彼(フェデラー)がとても33歳だとは感じられない。まだ十分若く見えるし、驚くようなテニスも見せている。きっと今は彼にとって年齢は関係ないんだと思う。」とフェデラーについてコメントしていた。
この最終戦が終わるとフェデラーは、次の週末には祖国スイスを代表してデビスカップの決勝戦でフランスと戦う。国別対抗戦のデビスカップでは、これまで一度もトロフィーを掲げた事がなく、最後に残された大きなトロフィーの獲得に挑む。
11月21日から23日にかけてフランスはリールで行われるその決勝戦へ、チームメイトの
S・ワウリンカ(スイス)らと向かう。
2010年にフランスを下してデビスカップでの優勝を飾っているジョコビッチは、その優勝の難しさを知っている。
「デビスカップで優勝するのは難しい事だと言うのは誰もが知っている事さ。なぜなら、自分だけでは達成出来ない事だからね。団体戦だからチームの力が必要なんだ。だからより一層彼(フェデラー)は、タイトル獲得へ向けて多くのモチベーションを持って臨むはずさ。」と、フェデラーの気持ちを推測していた。
■関連記事■
・錦織 フェデラーに敗れる・フェデラーモデル 12日発売・フェデラー ラオニチ下し1勝・フェデラー デ杯初優勝なるか・ナダル 幹細胞治療を受ける
■関連動画■ ・錦織が凱旋試合で宿敵ラオニチと激突・マレーが復活優勝