男子テニスで14度のグランドスラム優勝を持つ
R・ナダル(スペイン)は、痛めていた腰の怪我の治療法として幹細胞治療を受ける事を祖国スペインはバルセロナで長年診察を受けている主治医が明かした。
現地月曜日に行われたAP通信の電話での取材に答えたアンゲル・ルイス=コトロ医師は、「我々はナダルの脊椎の骨と骨の間に新しい細胞を導入する治療を施します。」とその治療について語っていた。
ナダルは虫垂炎の手術を受けるために、すでに今季の活動を終了しており、先週の月曜日にその手術を受けたばかりだった。
これまで14年に渡りナダルの体を診てきたルイス=コトロ医師の診断では、ナダルが抱えていた腰の状態はテニス選手特有のもので、今回の治療法は軟骨を回復させる事を促し、また彼が去年受けた膝への治療法と似たものだと説明していた。ルイス=コトロ医師の見解でナダルは12月頭には練習を再開できるだろうと言う。
これまでもNFLの選手やプロ野球選手などがこの幹細胞治療を受けている。同じスペイン出身でシカゴ・ブルズで活躍しているプロバスケットボール選手のパウ・ガソルも痛めた膝へ2013年にこの治療を受けていた。
ナダルが腰の異常を感じたのは今季最初のグランドスラムである全豪オープンの決勝戦だった。その試合でナダルは、本来のプレーをする事が出来ず
S・ワウリンカ(スイス)に敗れ、ワウリンカは自身初となるグランドスラムでのタイトルを手にした。
「ナダルの状態はテニス選手などが持つ典型的な腰の骨の関節の問題で、全豪オープンの時に痛めていた。それを幹細胞治療法で治療する決断を下しました。」とルイス=コトロ医師は述べていた。
導入される細胞は既にナダルの体から抽出されており、治療に十分な量まで培養されているとルイス=コトロ医師は語っている。
「我々はその細胞を痛みのある場所へ移植し、軟骨の再生をはかると同時に抗炎症作用も期待しています。」との説明も加えていた。
現在28歳のナダルは今年の全仏オープンで史上最多となる9度目の優勝を飾ると共に、その他3大会で優勝を飾っている。しかし10月に行われたスイスはバーゼルでのスイス・インドアの準々決勝では、主催者推薦で出場で若干17歳の
B・コリッチ(クロアチア)に敗れ、結果的にそれがナダルの今季最後の試合となった。
ナダルはウィンブルドン以降、手首の怪我のため3カ月のツアー離脱を余儀なくされており、その思わぬ敗戦は復帰後わずか3大会目だった。
《ナダル欠場「この状況受け入れる」》ナダルはここ数年、怪我に泣かされ続けていた。
2012年には左膝の怪我のためにシーズン後半を棒に振っていた。しかし2013年の2月に復帰すると、全仏オープン、全米オープンを含むシーズン最多となる10大会で優勝を飾り、再び世界ランク1位へ返り咲いてシーズンを終えていた。
ナダルが持つ14度のグランドスラム優勝は、
P・サンプラス(アメリカ)と並び史上2番目の記録。史上最多優勝回数は
R・フェデラー(スイス)の持つ17度となっている。
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