テニス・ジャーナル紙で、元世界ランキング3位の
I・リュビチッチ(クロアチア)がご意見番としてインタビューに応じた。2012年にツアーから引退したリュビチッチは、現在、若手期待の
M・ラオニチ(カナダ)のコーチに就任している。
インタビューでは、現在のトップ選手と、リュビチッチがプレーを始めた1998年当時のトップ選手との違いを語った。後者の例としては
P・サンプラス(アメリカ)、
P・ラフター(オーストラリア)、
M・チャン(アメリカ)、
Bo・ベッカー(ドイツ)、
A・アガシ(アメリカ)らの存在があったが、現代のトップ選手の方が来る日も来る日も力を抜けない状況になっていると語った。
「現在のトップ選手と当時のトップ選手の違いは、前者は信じられないほど安定している。どのポイントも簡単に落とす事がない。」
「サンプラスはクレーでベストプレーが出来なかった。だから皆、彼(サンプラス)とクレーで対戦したかった。当時のトップ選手の誰もが特定のサーフェスのコートを苦手としていて、その場合には負けたり、ベストなプレーが出来ていなかった。」
「でも、サンプラスはそれでも6度シーズンを1位で終えている。目標を持っていたから、それに到達出来たんだ。一方、
R・フェデラー(スイス)、
R・ナダル(スペイン)、
N・ジョコビッチ(セルビア)は全ての試合で勝つ事を目標としており、この点は旧世代とは異なっている。」
またリュビチッチは、今年のウィンブルドンで77年ぶりの地元イギリス人ウィンブルドンチャンピオンになった
A・マレー(英国)についても話した。
リュビチッチはマレーの抱える故障が、将来に及ぼす影響について心配している。マレーは腰の故障で手術を受けており、そのため今季の全仏オープンを欠場した。これについてリュビチッチは「誰もが望まない故障。」としている。
加えてリュビチッチは、コーチングを行っている世界ランク11位のラオニチは、すぐにでもトップ5の選手を脅かす存在になるだろうと述べる。
「今すぐにではないけれど、来年のどこかの時点での目標がそれなんだ。望ましい形で物事が運んだ場合、その目標に近づくだろう。まだ、そこまでの実力が備わってはいない事は秘密でもなんでもなく、まだまだやるべきことはたくさんある。でも、彼(ラオニチ)はまだ22歳だから、目標を達成出来ると思う。」
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