先週、男子テニスで元世界ランク1位の
A・アガシ(アメリカ)が同世代でかつては史上最強の選手と言われた
P・サンプラス(アメリカ)より
R・フェデラー(スイス)の方が上であると自身の思いを語った事に対し、そのサンプラスも同じ考えである事を明かしつつ、フェデラーの復活の可能性があると語った。
「私にとっては、とても明白な事だが、ロジャー(フェデラー)が史上最強の選手。しかし、ラファ(ナダル)はまだ絶頂期にいる。これからも、もっとグランドスラムでも優勝出来るだろう。彼(ナダル)は同世代の選手には全て勝ち越しているし、デビスカップやオリンピックでの優勝経験だってある。」
フェデラーはグランドスラムで歴代最多17度の優勝を誇り、これはサンプラスより3つ多く、ナダルより4つ多い。しかし、ナダルは今季最後のグランドスラムである全米オープンで13度目の優勝を飾ったが、まだ27歳の若さ。
加えて史上最強と言われるフェデラーに対しても、21勝10敗と大きく勝ち越している。
サンプラスは「ロジャーは本当に安定した強さを持っていたし、かなり長い間に渡って絶頂期を続けていたと思う。ラファに関しては、ほぼ確実に自分のグランドスラム優勝回数を抜くだろう。」と、話した。
現在32歳のフェデラーは、今年はここ10年間で最も悪いシーズンを送っている。今季ここまで35勝12敗でツアー優勝はわずかに1度。
グランドスラムでも、2002年以来となる決勝の舞台に立っておらず、これまで36大会連続での準々決勝以上の成績を収めていたフェデラーだったが、その記録もウィンブルドンの2回戦敗退で絶たれた。
そのウィンブルドンでは当時世界ランク116位の
S・スタコフスキ(ウクライナ)に敗れ、以後トップ50以下の選手に2度の敗戦を味わい、全米オープンの4回戦ではそれまで10度の対戦で1度も負けなかった
T・ロブレド(スペイン)にストレートで敗退する結果となっていた。
それでもサンプラスは、まだフェデラーにグランドスラム優勝の可能性があると言う。
「ロジャーは単に、また勝ち続けるための自信を取り戻す事が必要なだけ。今、彼の目標が何かはわからないが、これだけは言える。彼はこれまでも素晴らしいチャンピオンで、そして今後もそうだ。単に彼が何を望んでいるか、どこまで現役を続けたいかによると思う。」
「素晴らしい選手は信念を持っているもの。ロジャーがそれを取り戻せば、また良いプレーを始めるだろう。そうなれば、またグランドスラムで勝てるはず。2005年の時のような優勝候補の筆頭にはならないだろうけどね。彼が再び良いプレーを始めて健康であれば、また優勝する実力はあると思う。」とサンプラスは、フェデラーにはまだ可能性が残されていると感じていた。
現在フェデラーは、2002年から連続出場を続けている上位8選手しか出場できないツアー最終戦への出場さえ危ぶまれている。
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