テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は5日、男子シングルス準決勝が行われ、第2シードの
A・マレー(英国)が第24シードの
J・ヤノヴィッツ(ポーランド)を6-7 (2-7), 6-4, 6-4, 6-3の逆転で下し、2年連続の決勝進出と同時に、フレッド・ペリー以来77年ぶりの地元優勝に王手をかけた。また、マレーは出場したグランドラムでは4大会連続の決勝進出となった。
この試合、マレーは20本のサービスエース49本ものウィナーを放った。さらに、強烈なサービスを武器とするヤノヴィッツから5度のブレークに成功し、2時間52分で逆転勝利を収めた。
マレーとヤノヴィッツは今回で3度目の対戦となった。2009年のデビスカップではマレーがストレートで勝利、そして昨年のBNPパリバ・マスターズでは快進撃を続けていたヤノヴィッツが逆転で勝利した。
今年のウィンブルドンでマレーは、
B・ベッカー(ドイツ)、
ルー・イェンスン(台湾)、第32シードの
T・ロブレド(スペイン)、第20シードのM・ヨージニにストレートで勝利し、6年連続6度目のベスト8へ進出した。準々決勝では、ノーシードで元世界ランク7位の
F・ベルダスコ(スペイン)に2セットダウンからの大逆転勝利で、ヤノヴィッツとの準決勝へ駒を進めた。
昨年のウィンブルドンでは決勝で
R・フェデラー(スイス)に敗れ、マレーはフレッド・ペリー以来となる76年ぶりの地元勢優勝を逃していた。その後マレーは、同年に行われたロンドンオリンピックで金メダル、さらに
L・ロブソン(英国)とのミックスダブルスでは銀メダルを獲得。そして、同年の全米オープンではグランドスラム初優勝を飾る活躍をみせた。
今年マレーは、全豪オープンで決勝進出を果たすも、
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れ準優勝に終わった。全仏オープンは怪我により欠場を余儀なくされるも、ウィンブルドンの前哨戦であるAEGON選手権で今季3度目の優勝を飾った。
大会初優勝に向けて世界ランク2位のマレーは、決勝で第1シードで同1位のジョコビッチと対戦する。ジョコビッチは、準決勝で第8シードの
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)を4時間43分の大激闘の末に下し、2年ぶり2度目のウィンブルドン決勝の舞台に駒を進めている。
マレーとジョコビッチは過去18度対戦しており、11勝7敗とジョコビッチが勝ち越している。
また、マレーのコーチである
I・レンドル(アメリカ)はグランドスラムで8度優勝をしているが、ウィンブルドンだけはタイトルを獲得する事が出来ず、1986・1987年で2度の準優勝となっている。
そして、今年のウィンブルドンは上位シード勢の早期敗退が続出した。マレーと同じブロック(ボトムハーフ)にいた大会7度の優勝を誇る第3シードのフェデラーと、2008・2010年王者で第5シードの
R・ナダル(スペイン)は、3回戦を前に敗れる大波乱に見舞われた。
フェデラーがグランドスラムでベスト8を前に敗れるのは2004年の全仏オープン以来、ナダルのグランドスラム初戦敗退は2001年にプロ転向して以来キャリア初の事だった。また順当に勝ち進んだ場合、フェデラーとナダルは準々決勝で当たる対戦表だったが、それは実現しなかった。
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