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本日も2012年のテニス界「激闘シリーズ」をお届けします。今回は全豪オープン2回戦の錦織圭(日本)とM・エブデン(オーストラリア)の試合です。
第24シードとして出場した錦織は、ランキング制度が始まって以来、日本男子としては史上初となるシード選手としてグランドスラムに臨んだ。1回戦はS・ロバート(フランス)にストレートで勝利し、試合後「勇気をもってプレーできればもっと上にいけると思う。」と、コメントしていた。
また、2011年終盤に上海マスターズでベスト4、スイス・インドアではN・ジョコビッチ(セルビア)を撃破しR・フェデラー(スイス)との決勝戦まで勝ち上がっていたため、錦織のテニスの調子は上向きだった。
2回戦は、地元オーストラリア勢で当時世界ランク94位のエブデン。フォア・バックともに安定したストロークを打つエブデンは、1回戦でJ・ソウザ(ブラジル)に6-3, 7-6 (7-1), 6-2のストレートで勝利し、初戦突破を果たしていた。
このエブデンに対し、錦織は思わぬ苦戦を強いられることになる。
第1セットで2度のブレークを奪われた錦織は、このセットを落としてしまう。しかし、第2セットではエブデンの凡ミスがわずか1本という完璧に近いテニスをされ、錦織は第1ゲームをサービスキープするのがやっとだった。結果、第1セットと第2セットを奪われた錦織は、窮地に立たされることになる。
この時のことについて錦織は「自分のミスもすごくあったけど、相手がとてもいいプレーをしていて、いくら自分が攻めてもいいディフェンスで切り返され、最初の2セットは普通に何もできなかった。」
2セットダウンに追い込まれた錦織。過去に錦織は2010年の全仏オープンでS・ヒラルド(コロンビア)に2セットダウンから大逆転したことがあった。しかし、その時とは状況が違い、第2セットをあっさり奪われたため、本来の勢いを取り戻せるかに不安があった。
そして、第3セットの第1ゲーム、エブデンにミスが出始め、その隙をついた錦織がパッシングショットを決めてブレークポイントを握る。その後、エブデンのダブルフォルトによりブレークに成功した錦織は、これで試合の流れを掴み始める。
第2ゲームでネットに出るなどエブデンにプレッシャーをかけ、さらにサーブ&ボレーなどでポイントを獲得した錦織はリズムに乗り、ゲームカウント2-0とする。その後、第4ゲームでブレークバックを許すも、第9ゲームで凡ミスが減りパッシングショットをなどを決めた錦織が再びブレーク。そして、第10ゲームのサービング・フォー・ザ・セットをサービスキープした錦織が1セットを奪い返した。
「第3セットは入る時から気持ちを切り替えて、ミスを減らした。ゲームをこなすごとに、少しずつ自分のテニスも良くなっていった。」と、錦織はコメントしていた。
第4セットから日本の応援団もさらに盛り上がりをみせ、それに応えるかのように錦織のプレーの質も上がっていく。以降、手がつけられない状態にまで復活した錦織は、第4セットと第5セットでエブデンにわずか2ゲームしか与えず、3時間1分でゲームセットとなった。
《「全豪オープン2回戦 錦織 vs エブデン戦」の過去記事はこちら》
敗れたエブデンは「錦織はレベルを上げてきて、第3セットからはほとんどリターンされてしまった。」と、試合後にコメントしていた。
2回戦突破を決めた錦織はその後、3回戦でJ・ベネトー(フランス)、4回戦では当時世界ランク6位のJW・ツォンガ(フランス)に勝利し、全豪オープンでオープン化以降初の快挙となるベスト8へ進出することとなった。
《「全豪オープン3回戦 錦織 vs ベネトー戦」の過去記事はこちら》
《「全豪オープン4回戦 錦織 vs ツォンガ戦」の過去記事はこちら》
《「全豪オープン準々決勝 錦織 vs マレー戦」の過去記事はこちら》
【明日12月12日(水)は、今年の全仏オープン激闘シリーズをお届けします】
■過去のコラムはコチラ■
《「王者ジョコビッチの意地◇第5弾 2012激闘シリーズ その1」はこちら》
《「フェデラーを脅かし、クレイステルスを破った若手達◇第4弾 2012新星選手シリーズ その1」はこちら》
《「ナダルを打ちのめした恐ろしい男◇第4弾 2012新星選手シリーズ その2」はこちら》
《「これぞ「快進撃」と言わしめた男◇第4弾 2012新星選手シリーズ その3」はこちら》
《「フェデラー、王者奪還なるか◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その1」はこちら》
《「フェデラーに神が降りる◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その2」はこちら》
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