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【コラム】ロディック、ギルバートと手を組み栄冠◇第1弾 2012引退シリーズ その1

近年M・サフィン(ロシア)P・スリチャパン(タイ)J・エナン(ベルギー)杉山愛(日本)M・アンチッチ(クロアチア)A・アガシ(アメリカ)P・サンプラス(アメリカ)T・デント(アメリカ)E・デメンティエワ(ロシア)などが引退したが、今年もテニス界でスーパースター達の引退があった。

ソニー・エリクソン・オープン男子ではF・ゴンサレス(チリ)、全米オープンではA・ロディック(アメリカ)K・クレイステルス(ベルギー)、バレンシア・オープンではJ・C・フェレーロ(スペイン)が現役生活に幕を閉じた。

本日はその中でもロディックについて書いてみようと思います。

4歳からテニスを始めたロディックは、2000年の18歳でプロへ転向した。当時リーボックのウェアにバボラのラケットが特徴的だった。

ロディックは、2001年のソニー・エリクソン・オープン男子で当時世界ランク4位だったサンプラスに勝利し、L・ヒューイット(オーストラリア)に敗れるもベスト8へ駒を進めた。

その後、同年の全仏オープン2回戦でM・チャン(アメリカ)と対戦し、足に痙攣が起きながらも5-7, 6-3, 6-4, 6-7(5-7), 7-5の死闘を制し話題となった。勝利の瞬間、ロディックは着用していたウェアを破ってしまうほど興奮していた。

2002年の全米オープンでは準々決勝まで進出し、グランドスラムで初のベスト8を果たした。

翌年の2003年はロディックにとって飛躍の年となる。全豪オープンでは3回戦まで勝ち進むも、4回戦のM・ヨージニ(ロシア)との対戦で2セットダウンのピンチを迎える。しかし、ロディックは驚異的な粘りと思い切りの良さを発揮し、大逆転で勝利を収める。続く準々決勝ではY・エル・アイナウイ(モロッコ)対戦し、4-6, 7-6(7-5), 4-6, 6-4, 21-19の5時間にも及ぶ大熱戦を制した。続く準決勝は同大会で絶好調だったR・シュトラー(ドイツ)に1セットしか奪えず敗退となる。

同年の全仏オープンでは初戦敗退に終わってしまい、ロディックは「変わらなければいけない」と強く感じる。そこでロディックはアガシのコーチをしていたブラッド・ギルバートにコーチのオファーをし、ロディックとギルバートは手を組むことになる。

ギルバートの指導の受けてからのロディックは急成長を遂げ、破壊力のあるテニスに加え安定感が増し、ウィンブルドンで準決勝まで勝ち進んだ。その準決勝で待っていたのがR・フェデラー(スイス)だった。第1セット、タイブレークへ突入し、ロディックはセットポイントを掴むも、フォアハンドをネットにかけ、結局フェデラーにセットを奪われてしまう。これで勢いに乗ったフェデラーに対し、ロディックはその後もフェデラーの勢いを止められず、この勝負に敗れグランドスラム決勝進出は持ち越しとなった。

しかし、その後のハードコートシーズンでは快進撃をみせ、ウィンブルドン後から全米オープンまでの成績を21勝1敗という驚異的な数字を記録し、最高の状態で全米オープンに臨むことになる。ギルバートと手を組んだロディックはまさに「覚醒」したと言える。

迎えた全米オープン、絶好調のロディックは準決勝まで順当に勝ち進むも、D・ナルバンディアン(アルゼンチン)戦で絶体絶命の状況に追い込まれる。

ロディックはナルバンディアンに2セットダウンとされ、第3セットはタイブレークへ突入する。タイブレークは5-5となり、この場面でロディックは果敢にバックハンドスライスでネットへ出る。しかし、ナルバンディアンの繊細なタッチによるバックハンドスライスのパッシングを許し、ナルバンディアンにマッチポイントを与えてしまう。この状況でロディックはナルバンディアンの逆をつくセンターへの強烈なサーブを放ち、6-6となる。その瞬間ロディックは、小さなガッツポーズをつくる。

結局、第3セットはロディックが奪い返し、地元アメリカの声援を受けたロディックは2セットダウンからの大逆転に成功、自身初となるグランドスラム決勝の舞台へ進出する。

決勝でロディックと対戦したのが、同年に悲願の全仏オープンを制したフェレーロだった。フェレーロは2001年全米オープン覇者のL・ヒューイット、当時世界ランク1位のアガシなどの強敵を次々と撃破し、決勝まで勝ち上がってきた。

決勝戦、試合の主導権を握ったのはロディックだった。強打だけではなく、バックハンドスライスを混ぜた緩急つけ、ミスの少ない安定感があるテニスでフェレーロを翻弄し、最後はセンターへサービスエースを叩き込みゲームセット。

勝利の瞬間、ロディックは「信じられない」という表情をみせ、ファミリーボックスへ向かいグランドスラム初優勝をチーム、そして家族などと分かち合った。

このロディックの優勝に大きく関わったギルバートの指導法は、まさしく「ギルバートマジック」と言えるだろう。

この年、年間ランキング1位を確定させ、最高の形でシーズンを終えたロディックは、その後もトップで活躍することとなる。

【続きは明日11月29日(木)】

(2012年11月28日22時16分)

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