Vol. 21 次の対戦相手の試合の見方
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前のページでは、長所は自然と見えてくるが、短所は探らなければ見えてこないと述べた。ここではその両方を「観察」するためのコツを紹介しよう。
まずは長所から。長所を見るときに大切なのは、あまり深く考えないということ。深読みしすぎて、頭が混乱しかねないからだ。得点パターンを把握することは大切だが、その組み立ての一つひとつまで覚える必要はない。クロスに打って、次にダウン・ザ・ラインに流して、最後はアングルに……などど、細部にこだわる必要はない。その中の決定打をインプットするだけで十分だ。
また観察するときはつい技術面ばかりに目が行きがちだが、それ以外でも見るべき点は多い。スタミナ、フットワークなど基礎体力部分がそれだ。これらの要素が、得点パターンを支えていることも多い。弱点に関しても同じことがいえる。技術的にミスが多いショットやパターンをチェックすることも大切だが、それを誘発している体力要素を把握することも忘れてはいけない。左右の動きは良くても、前後の動きはそれほど……といった情報を事前に察知しておけばかならず試合に役立つ。
メンタルに関しては、一点のみチェックポイントがある。リードしているにもかかわらず、その勢いに乗り切れず、勝つのにもたついているかどうかだ。もたついているならば、つけいるチャンスが大いにあるということ。それ以外のケースは状況的にメンタルの参考にならない。
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相手の長所と短所をそれぞれ把握したら、そうそうに引き上げるべきだ。次の対戦相手の試合を見ることは大切だが、それを試合終了まで律儀に行なうことはない。逆に悪影響が出かねないからだ。
悪影響とは、もちろん前述した「相手がうまく見えてしまう」ということ。それを踏まえたうえで観戦していても、長く見続けると相手のいいイメージだけが膨らんでしまう。そのうえ試合終了まで見てしまうと、相手が勝ったイメージが強烈に残る。理想的とはいえない心理状況で試合に臨むことになるわけだ。
また長く見続けると、頭が疲れてくる。気軽に見ているのと、相手のプレイを分析しながら見るのとでは、その疲れ方は大きく異なる。草大会ではその後すぐに試合ということも珍しくないが、そのときに頭が疲れて、思考が鈍っているという状況は、避けなければならない。
目安はせいぜい、試合の1/3程度。3セットマッチなら、1セットまで。8ゲーム先取なら、合計6〜7ゲームまで。その中で、長所と短所、そしてその前に、どちらが勝つかを見極める作業が必要となってくる。もちろん保険として、負けそうなプレイヤーのチェックも怠ってはいけない。見極めた後で、逆転して勝つというケースもけっして少なくないからだ。ただ理想をいえば、そのケースも想定したうえで分析・判断すること。ある意味、テニスに対するあなたの観察眼が問われているのだ。
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(テニスジャーナル 2004年12月号)
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