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Vol. 13 テニスの身体 下巻


最後に、華奢で非力、可憐なイメージのハンチュコバについて述べてみよう。

彼女は、とにかく細身で、一見折れてしまいそうなイメージが強いかもしれない。しかし、じつは長身でもある。前述のダベンポートほどではないにせよ、181センチと女子選手の平均をかなり上回る。そのため、ダベンポートと同じように、高い打点からの強打がもっとも得意。フォアハンドでも両手打ちのバックハンドでもエースを取ることができる。

ただ長身だからといって、誰もが強打できるわけではない。そこには、彼女なりの身体を生かした工夫を見ることができる。そのひとつが手足の長さを生かした、大きなフォームとスウィング。筋力的にはそれほど恵まれず、どちらかといえば非力な彼女が力強いボールを打ち込めるのは、その遠心力を最大限生かした打ち方ができるからだ。また細身だが、体軸ぶれずバランスがいい。それが回転の大きな、あのフォームの土台となっている。

また、ハンチュコバは手と目の感覚にも優れている。手が長いので、インパクトの際、目とボールの間に人並み以上に距離がある。それでも正確にボールを捉え、人並み以上の強打を実現できるのは、手と目の協調性が高いから。いわゆるハンド・アイ・コーディネーションだ。長い手足をもてあますことなく、大きなスウィングを行なうことができるのは、この能力が高いからだ。

長い腕をもてあますことなく、うまく遠心力に利用したハンチュコバのフォアハンド・ストローク
大きなテイクバックと大きな軌道のスウィング。長い腕をもてあますのではなく、多いに活用。非力さを遠心力で補っているハンチュコバのショット。身体の特徴を生かしたフォームで、強打を可能にしている
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(テニスジャーナル 2004年2月号)
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