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「ラケットの未来予想図」

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。

ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。

テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ラケットの未来予想図」

テニスプレーヤーの中でも、ゴルフをプレーしている方は多いのではないでしょうか。

ティーショットでドライバーが良い当たりをすると気持ち良いですよね。

ドラコンホールの時には、1ヤードでも遠くへ飛ばそうとマン振りするのではないでしょうか。

私中居は最近ゴルフをプレーしていませんが、プレーしていた当時は、規定ギリギリの高反発ビッグヘッドでさらに長尺シャフトを使っていました。

ところが、飛び過ぎを規定する規則ができて、低反発ヘッドでないとダメなルールになり、長尺シャフトも今後規定されるという噂があります。

25年前は300CCが一番大きいヘッドだったのが、軽量で大きくできる技術が進み、規定しないとどんどん大きくなるので、460CC以下の規定ができたのです。

世界トッププロのほとんどが、規定ギリギリの460CCを使っているそうです。

要するにパワーがあって飛ぶ道具は有利になるので、規定されていく傾向にある様子です。

当然、飛べば曲がりやすくなるので、プレーヤーの技術も使いこなすために努力して向上させていかないといけません。

2010年にスイムウエアでも規制がありました。

SPEED社で開発されたレーザーレーサーは、ポリウレタン素材で縫い目のない水着で、素肌より抵抗が少なく、これを着用した選手が世界記録を連発しました。
その後規制され、上半身を覆ってはいけない、素材は布でなくてはならないというルールになりました。

陸上ではナイキのマラソンシューズのヴェイパーフライが規制するかどうか議論されています。
厚底シューズを履いた選手達がどんどん記録を出しているからです。

このように、道具を使うスポーツは、道具の進化で、もっと飛ぶ、もっと速く、もっとスピードが出る方向に進んでいるのです。

もし、今後テニスラケットで規定されるラケットが出るとしたらどんなラケットでしょうか。

「もっとスピードが出る」「もっとスピンがかかる」「もっとコントロールがよくなる」

やっぱり「もっとスピードが出る」ではないでしょうか。

スピンとコントロールはプレーヤーの技術の方が比重が高くなるからだと思います。

「もっとスピードが出る」ことをもう少し掘り下げていきましょう。

ゴルフ、水泳、陸上は協会が規定する方向に向かってますが、テニスではプレーヤー自らがスピードアップすることをためらっているのではないかと考えます。

テニスラケットについては、フェース面積はルール上135平方インチまで許されるのに、100平方インチを使っていたりフレーム厚を薄くして飛びを抑えたりしています。

長さは29インチまでOKなのですが、27インチがほとんどです。

野球のバットは、高校野球では金属バットでプロ野球では木製バットです。

金属バットは、反発力が強く芯を外しても飛んでくれるデカラケのようなものです。
木製バットは、きちんと芯に当てて振り抜かないと飛びません、ミッドサイズの薄ラケのようなものです。

プロ野球選手は、規定されているので木製バットを使っていますが、金属バットがOKならこぞって使うはずです。
テニスでは規制されていないのに、金属バット(デカラケ)を使わず、自ら木製バット(ミッドサイズの薄ラケ)を使っているようなものです。

テニスでもパワーがあった方が有利なはずです。

フェース面積を大きくし、フレーム厚を厚くし、1インチ長くする方向に向かっていくはずです。

ではなぜ、テニスではデカラケを使っている選手が少ないのでしょうか。

それは、コントロールを重視しているからだと思います。

私中居個人の考えですが、コントロールを良くしてくれるラケットは無いと思っています。

コントロールは自分自身で行うものです。

飛びの良いラケットは、アウトしないように、回転をかけ、ネット上の通過位置を下げます。

飛びの良くないラケットは、深くボールが行くように、回転はほどほどでネット上の通過位置を高くします。

ラケットが勝手にやってくれるはずはないので、すべて自分自身の選択でコントロールしているのです。

セリーナ・ウイリアムズ選手のラケットは、フェース104 平方インチ、長さ28 インチで、自らのパワーとラケットのパワーを掛け合わせている未来型の選手です。



彼女は10代のころからフェース110平方インチを使用しており、パワーをコントロールすることに慣れているのです。

単純に慣れているかいないかが大きな問題なのです。

1990年代に活躍し、4大大会を9回優勝しているモニカ・セレス氏は、130平方インチ、28 .5インチのルール上許されるほぼギリギリのラケットを使用していたことがあります。

90ポンドで張って、フォアバック両手から繰り出すショットはものすごい威力でした。

100平方インチ、300g、フレーム厚26mmの黄金スペックを使っている方が多いのは、当然なのですが、60代、70代の方もこぞって使っているに疑問を持ちました。

先日、参加したダブルスオフで私中居が最年少だったのですが、見事なまでに私以外の方は黄金スペックを使っていました。

やっと届いたボールはネットを越さない、サービスゲームは苦しそう、リターンは振り遅れ気味といった光景を目にすると、もっと大きくて軽量のラケットにしたら良いのにと仕事柄感じてしまいました。

パワーを上げるとどういうことが起こるか考えていきましょう。

①ボールの飛距離が出る。
②ボールのスピードが上がる。
③やっと届いたボールが返りやすい。

①のメリットは、深くボールを打つのに、フルパワーは必要なく、余力を残しながらプレーできます。
デメリットは、打ち出し角度のミス、回転のかけ損ないはアウトしてしまうことです。

②のメリットは、相手のコートカバーリングが遅れることです。
デメリットは、打つコースを間違えると、逆に速く返ってくる場合があります。

③のメリットは、言うまでもありません。
デメリットもありません。

①と②のデメリットは、すべて自分のコントロールミスです。

コントロールは自分でするものと、先に述べましたがコントロールする上で大事なファクターがあります。

それは「打球感」です。

芯に当たっているか外れているか、スイング軌道の何処で当たって、何処で離れたか、フェース面がどのくらいの角度でインパクトしているかなどを知る上で打球感は大切です。

ボールが当たっている時間は1000分の4秒と言われていますが、人間の感覚は優れており、1000分の4秒の中でいろんな作業をしているのです。

軽量デカラケの場合、カーボンの厚みも薄く軽い打球感になってしまい、コントロールに必要な繊細なフィーリングが伝わってこないのです。

でももし、フェース面積が115平方インチで、260gの軽量デカラケで、100 平方インチ、300gのラケットのような打球感のラケットがあったならどうしますか。

パワーがありながら、スピンがかかり、狙ったところにコントロールするのがたやすいラケットがあったとしたら、上級者は手に取るのではないでしょうか。
(もしかすると、言い過ぎかもしれませんが上級者より先にプロの選手たちが使うかもしれません。)

20年前にピュアドライブが出てきた頃に、上級者たちは「そんな簡単なラケットじゃ上手くならないよ。」と初中級たちにコメントしている光景を見ました。

その後プロたちがピュアドライブをこぞって使い始めどんどん活躍していき、常識を塗り替えていきました。

スノワートのビタス115は、フェース115平方インチ、260gでありながら、中身の詰まった打球感を実現しており、未来のラケットのヒントになる可能性があるのかなと思いました。

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4種類の断面を用いたフレーム形状に日本製のこだわりカーボン素材などの工夫が見られます。ここのところラケットメーカー各社の軽量デカラケのカテゴリーは低迷しているように感じます。



もちろん各メーカーのラケットも浸透されていますが、このようなラケットもユーザーにとって選択肢の一つでもあるのかと思いました。

>>>その他GEEK通信の記事はこちら
http://bit.ly/2RPYXDW

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