男子国別対抗戦であるデビスカップのワールドグループ1回戦で、初日のシングルスでイギリスから2敗を喫したアメリカだったが、7日に行われたダブルスでは
B・ブライアン(アメリカ)/
M・ブライアン(アメリカ)組が
J・マレー(英国)/ D・イングロット組を6-3, 6-2, 3-6, 6-7 (8-10), 9-7の接戦で制して勝敗の行方は最終日へと持ち越された。
飛び上がって胸をぶつけるチェスト・バンプで有名なブライアン兄弟は、史上最多となる104度ものダブルス優勝を誇るATPツアーでも最強のダブルス・ペアで、これでデビスカップでは2セットを先取した試合での負けなし記録を更新した。
2013年にブラジルとセルビアにフルセットの敗戦を喫していたブライアン兄弟は「辛い敗戦を経験している。だからお互い“あの痛みをかき消そう”と言いながら戦ったんだ。」とマイクが試合を振り返った。
それでもこのアメリカとイギリスの1回戦ではイギリスが勝利を飾るであろうと言う予測は覆されてはいない。
イギリスのエースでありウィンブルドンと全米オープン覇者である
A・マレー(英国)は日曜日に行われるシングルスでアメリカのエースである
J・イズナー(アメリカ)と対戦するが、イズナーは初日のシングルスで
J・ワード(英国)との5時間にわたる死闘を演じるも逆転負けを喫しており、それはイズナーにとって肉体的にも精神的にも傷付くものだった。
「イズナーがベッドから飛び起きてアンディ(マレー)と戦えるとは思えないね。」と語るのは、ダブルスに出場したマレーの実の兄であるジェイミー。
この展開は昨年の1回戦でも対戦した両国の流れに似ている。その時はアメリカのサンディエゴで試合が行われたが、イギリスがアメリカに対して初日のシングルスで2勝を飾り2日目のダブルスではアメリカが1勝を上げるも、結果3勝1敗でイギリスが勝利を飾っていた。
アメリカはこれまでのデビスカップでの戦いで0勝2敗となった対戦が40度あったが、そこから逆転して勝利を収めたのはわずか1度で、それは1934年のオーストラリアとの対戦だった。逆にイギリスは、2勝0敗とリードした対戦ではこれまで全て勝利を収めている。
3時間39分に渡って行われたこの日のダブルスでは、サービング・フォー・マッチとなったマイクのサービスをキープし勝利した瞬間、ラケットを手放しトレードマークであるチェスト・バンプを披露してブライアン兄弟は喜びを表していた。
ジェイミーとイングロットは通常のツアーでは別のパートナーと組んでプレーしている。この二人がペアを組んでダブルスの試合を行ったのは2002年から2003年のジュニア時代だった。左利き同士のペアであるこの2人がコンビネーションを確立させるには時間が必要だった。
ジェイミーは序盤での自身のサービスゲームでは苦しい展開を強いられた。最初の4度のサービスゲーム全てでブレークを許し、2セットをアメリカに先取される原因となってしまった。イングロットは国歌を聞いて興奮し過ぎてしまい簡単なボレーをミスしてしまったと語った。
2セットを失ったイギリス・ペアだったが、前日のワードの壮絶な勝利から力を得たのか、第3セットではレベルを上げ、第4ゲームでマイクのサービスをブレークし、セットカウント1ー2とすると、第4セットも接戦となったタイブレークを制し勝敗の行方をファイナルセットへと持ち込んだ。
地元ファンは更に大きな歓声を上げていた。観戦していたアンディ・マレーは興奮から、コートサイドに座ってはいられないほどだった。
タイブレークのないファイナルセットではサービスキープが続いたが、第15ゲームのジェイミーのサービスゲームで痛恨のブレークを許してしまった。そのゲームではイングロットが4度もボレーのミスを犯してしまい、続くブライアン兄弟がサービスをキープしゲームセットとなった。
イギリス対アメリカの組み合わせは以下の通り。
【大会1日目】
・シングルス第1試合:
○A・マレー vs
●
D・ヤング(アメリカ) 6-1, 6-1, 4-6, 6-2
・シングルス第2試合:
○J・ワード vs
●J・イズナー 6-7 (4-7), 5-7, 6-3, 7-6 (7-3), 15-13
【大会2日目】
・ダブルス第1試合:
●D・イングロット/ J・マレー vs
○B・ブライアン/ M・ブライアン 3-6, 2-6, 6-3, 7-6 (10-8), 7-9
【大会3日目】
・シングルス第1試合:
A・マレー vs J・イズナー
・シングルス第2試合:
J・ワード vs D・ヤング
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