男子国別対抗戦であるデビスカップのワールドグループ1回戦は6日に初日を迎え、
J・ワード(英国)が
J・イズナー(アメリカ)との6-7 (4-7), 5-7, 6-3, 7-6 (7-3), 15-13の死闘を制すと、ふらつきながらコートサイドの
A・マレー(英国)へ歩み寄り、マレーの腕の中へ崩れ落ちた。
世界ランク111位のワードはこれまでも祖国を代表して戦うデビスカップでは、自身のプレーの質を高めていた。この日も第1・第2セットをアメリカのエースで世界ランク20位のイズナーに先取されながらも、逆転劇を演出しイギリスが2勝0敗と早くも勝利に王手を掛けた。
4時間57分に渡ったこの試合は、1989年にタイブレーク制が導入されて以来、アメリカ・チームが経験した最長試合となった。
この日、第1試合で行われたシングルスでは、マレーが
D・ヤング(アメリカ)を6-1, 6-1, 4-6, 6-2と危なげ無い勝利を飾ったものの、第2試合の熱戦で忘れ去られるほどだった。
マレーの生まれ故郷であるスコットランドのグラスゴーで行われているこの対戦でマレーは、2013年のウィンブルドン優勝後初めてのスコットランドでの公式戦だった。会場のエミレーツ・アリーナはワードの勝利で歓喜に溢れ、昨年の1回戦に次ぐイギリスの勝利が目前となった。昨年もイギリスはアメリカと1回戦を行い3勝1敗で勝利していた。
ワードが掴んだ6度目のマッチポイントで、イズナーがバックハンドのボレーをネットにかけた瞬間に、ワードはラケットを投げると胸を叩いて天を仰いだ。そしてイギリス監督のL・スミス氏と抱き合い観客からの拍手に酔いしれながら、疲れ果てた表情を見せてマレーの元へと歩み寄ると涙が溢れそうになっていた。
「イズナーとの5時間近い戦いは簡単なものではない。彼がした試合より長い試合は嬉しいものさ。」と、2010年のウィンブルドンで、史上最長となる11時間の試合を
N・マウー(フランス)と戦ったイズナーからの勝利の喜びを語っていた。
ワードはこれでデビスカップでの5度目の5セットマッチの試合で、4度目の勝利を手にした。
頭を下げ首にタオルを巻いて会場を去るイズナーには詰め掛けた7700人の観客から盛大な拍手が起きた。しかしイズナーはデビスカップでの5セットマッチの試合では、これで5戦全敗となったが、セットカウント2ー0とリードしてからの敗戦となったこの日の試合は、特に痛い敗戦となった。
「本当に辛い。今夜は眠れそうにないね。とにかく悲惨だ。まさに精神的に動揺している。」とイズナーは唇が震えながら語り、右膝には多くのテーピングが施されていた。
マレーは終止コートサイドからワードに声援を送っていた。そして勝った瞬間は、自身がヤングに勝った瞬間よりも嬉しそうな表情を見せていた。
その後マレーは自身の公式ツイッターで「洋服を全て着替えてグラスゴーの街を走る時間さ。ワードにはすっかりやられたよ。」と興奮冷めやらぬ様子を綴っていた。
イギリス対アメリカの組み合わせは以下の通り。
【大会1日目】
・シングルス第1試合:
○A・マレー vs
●D・ヤング 6-1, 6-1, 4-6, 6-2
・シングルス第2試合:
○J・ワード vs
●J・イズナー 6-7 (4-7), 5-7, 6-3, 7-6 (7-3), 15-13
【大会2日目】
・ダブルス第1試合:
D・イングロット/
J・マレー(英国) vs
B・ブライアン(アメリカ)/
M・ブライアン(アメリカ)【大会3日目】
・シングルス第1試合:
A・マレー vs J・イズナー
・シングルス第2試合:
J・ワード vs D・ヤング
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