3月6日から8日にかけて行われる男子国別対抗戦であるデビスカップのワールドグループ1回戦で、
A・マレー(英国)率いるイギリスは、アメリカを地元グラスゴーに招いてインドアでのハードコートで対戦する。
ウィンブルドンと全米オープンと2度のグランドスラム優勝を誇るマレーは、こうしてイギリス代表となるのは昨年9月に地元スコットランドの独立へ向けて住民投票が行われた時、独立を賛成するコメントを自身の公式ツイッターで呟いて以来初となる。
《マレー 「私は後悔してない」》「あんな事があったけれど、イギリスとしては何も変わっていないと思っている。イギリス人が好きじゃないなんていう考え方は全くもってナンセンス。」と語るマレーは現在、イギリスに住みイギリス人女性キム・シアーズさんと婚約している。
水曜日に行われた記者会見でマレーは、昨年の自分の意見を発したツイッターを見たイギリスの観客の反応はどうなるかと問われた瞬間、明らかに不快な表情を見せていた。
「そうだね、それは今週末に見られるはずさ。」とマレーは、無愛想に答えていた。
昨年のデビスカップ1回戦でも対戦した両国。その時はイギリスが敵地アメリカで3勝1敗で勝利を収めていた。今年は地元ファンの声援を受けるが、それが更に特別な物になる事が予想される。
アメリカ・チームの監督である
J・クーリア(アメリカ)氏も同じように感じている。
「アンディ(マレー)にとっても私達にとっても、マレーに対する観客の反応を経験できる特別な機会になるだろう。彼(マレー)に取っては、イギリスの観客の前でプレーするのはより特別な物になるだろう。」とクーリア氏は、水曜日に行われた会見で語っていた。
しかし、イギリス監督であるL・スミス氏の最大の関心事は、マレーの最近のコンディションにある。
1月に行われた全豪オープンの決勝戦で
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗退して以来、2大会連続で準々決勝敗退と精彩を欠いていた。ロッテルダムでは
G・シモン(フランス)に、ドバイでは若干18歳のB・コリッチに敗れていた。それはコーチ不在の影響だとも言われている。現在マレーのコーチを務める
A・モレスモ(フランス)はフランス女子フェドカップでの監督をしているために、その2大会にはマレーに同行していなかった。
「常に練習しなければならない事があると感じている。それがコーチがいない時は、往々にして難しくなる事もある。」と語るマレーだが、これまでデビスカップの試合では、ハードコートで7戦負けなしの成績を誇っている。
イギリス・チームは、マレーを筆頭に実の兄でダブルス選手である
J・マレー(英国)、D・イングロット、
J・ワード(英国)の布陣で臨む。マレーは兄弟でペアを組みダブルスに出場する可能性がある。そうなるとアメリカのダブルスで出場する
B・ブライアン(アメリカ)と
M・ブライアン(アメリカ)との兄弟対決が実現する。デビスカップ史上ダブルスでの兄弟対決はこれが6度目の事。
昨年の対戦では、アメリカは現在アメリカ人男子最高ランキングの20位にいる
J・イズナー(アメリカ)を欠いていたが、今年はクーリア監督率いるアメリカ・チームにエースとして戻っている。そして世界ランク47位の
D・ヤング(アメリカ)が第2シングルス要員として起用される。ランキング的には
S・ジョンソン(アメリカ)が44位とヤングより上にはいるが、メンフィスでの準決勝、デルレイビーチでの決勝進出と2月に行われた大会の好成績から選出されている。世界ランク43位の
S・クエリー(アメリカ)は腰の怪我のために選考から外された。
「去年、地元サンディエゴで戦ったイギリスとの敗戦はかなり傷ついていた。負けるのは嫌いだし、特に地元ではね。でもイギリスにそれをやられて勝利を奪われてしまった。今回は我々がグラスゴーにいる。新しいシーズンだし、今回はジョン(イズナー)もいる。最高の環境で最高の試合になるだろう。」とクーリア氏が意気込みを語った。
シングルスの対戦は木曜日に決まるが、イギリスとアメリカが初めてデビスカップで対戦したのは1990年に遡る。それ以来両国は19度対戦し、アメリカが11勝8敗とリードしている。
勝ち上がった国は地元へ招いて、フランスとドイツの勝者と準々決勝を行う。
上の写真でマレーはツイッターのメッセージがプリントされたウエアを着て練習を行い、マレーには英語で「がんばれマレー、イギリスのためにあなたは出来る。あなたを信じてる!」とプリントされている。
また、各メンバーそれぞれ違うプリントがされている。
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