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吉崎仁康 「架け橋になりたい」

グランドスラムの実況やテニスのイベントなどで司会をするフリーアナウンサー吉崎仁康(よしやす)氏がtennis365.netの独占インタビューに応じた。

【吉崎仁康 独占インタビュー】

これまで実況した中で印象に残っている試合はありますか?
2013年ウィンブルドン男子シングルス準々決勝、J・ヤノヴィッツ(ポーランド)L・クボット(ポーランド)の試合、ポーランド勢同士の対決です。

ポーランドと言えば女子のA・ラドワンスカ(ポーランド)という印象ですが、ヤノヴィッツはクボットに影響を受けてテニスをしてきたということで、試合前から二人とも笑顔で良い試合しようというすごくいい感じでした。試合はヤノヴィッツがストレートで勝つのですが、お互いを称え最後にユニフォーム交換したことが感動的でした。

これを見て思ったのがいつか錦織選手と添田豪(日本)選手や伊藤竜馬(日本)選手が対戦したら凄いですよね、いつか来るかもしれませんね。

それとウィンブルドンの放送ブースは観客の盛り上がりで揺れるんですよ。A・マレー(英国)の試合は特に盛り上がって、音だけでなく体で感じられて凄いです。No.1コートで試合を観ていると後ろにマレーマウントがあって、観客がオーロラビジョンで試合を観ているんです。

そうするとNo.1コートよりも後ろからの音が凄くて、マレーが1セット取ったんだとかがわかります。これまでテレビで見ていましたが、その場で感じられるのはテニスの仕事をしていて良かったなと思います。

苦労話やエピソードなどありますか?
ウィンブルドンで1日4試合実況しました。これは大変でした。基本は1日1試合ですがこの日は2コート同時中継で2試合することになって、実況が1人少なく3人でやっていて、その後急遽もう1試合やることになったのですが、3試合を終えて解説の土橋登志久さんとやっと終わりましたねと話していたら、戻ってきたらプロデューサーが血相変えて、センターコートで急遽別の試合が入ったから話してくれと言われたことです。

10分くらいかかる放送ブースまで走って着いたら土橋さんが着いていなくて焦りました。初めて男女どちらの試合かも知らない状態で始まって、データも無く、どんな試合展開かわからないまま始めました。合計で朝から7、8時間近く話してWOWOW記録だったそうです。今でも土橋さんとその話をしますね。

資料が無い状態で実況することはあるのですか?
予定している試合まで時間がある時、他のコートの様子を実況することがあるのですが、その時の資料は無いです。そのコートを長時間実況することもないので。ただ急に何も資料がない状態で長時間話すのは難しいですね。試合の流れとかわからないので。

実況の事前準備にどのくらい時間をかけますか?
人によって違うと思いますが、時間をかけるほうだと思います。前の晩に次の試合を言われて、ホテルに戻って夜の10時か12時頃から調べ始めます。そこから3、4時間かけて調べます。そこでいったん仮眠をとって起きて資料を見直します。

そこからエピソードや小ネタ、あとテニスをやっていたので、やっている人目線の情報を調べます。グリップの持ち方とか構えとかフォームとか。こういうのをデータとふまえてコートチェンジの際に話します。そしてその時の疑問を解説の方に質問します。日本にいるときからいろんな選手のデータ、雑誌の切り抜きなどを持って来ているのでノートにまとめます。そしてそれ以外の情報は急いでネットで調べたりします。なので結構時間をかけるほうだと思います。テニスが好きだから掘り下げて調べることが出来ますね。

やっててよかった瞬間は?
2010年の全仏オープンから行ったのですが、これまでずっと中継を見ていましたが、実際に会場に行って、空気を吸って、放送席に座った時は感激しました。会場ではあらゆるコートで人生をかけた試合が何十試合と行われて、全仏特有の土が飛び散る音に感激を受けました。

そしていつも感激するのは担当する試合が始まる瞬間です。実況する2人の選手ことは調べつくしたつもりです。そこで自分なりに予想をして、始まる瞬間です。なので最初は声が上ずっているかもしれません(笑)「よしっ!」という気分になります。

実況以外では勝利者インタビューです。試合を終えて第一声を世界で最初に聞けることです。錦織選手などやっているうちに自分のことに気付いてくれてインタビューの準備をしてくれて。最初に話を聞けるのは単純に嬉しいです。R・ナダル(スペイン)やA・マレーにインタビューしたときは震えました。その時も選手の性格が出て、ちゃんと答えてくれようとしてくれたり、笑顔で応えてくれたり。M・ラオニチ(カナダ)はよろしくという感じで握手してくれますし、カメラに映らないですが日本語でありがとうと言ってくれたり。近くにいないとわからないので嬉しいですね。

テニスを伝えるうえで何が重要だと思いますか?
私はテニスを見る人はテニスをやっている人が多いと思っています。自身がやるテニスとプロのテニスは一見別物だと思うかもしれませんが、同じコート、ボール、ラケットを使ってプレーしているので、どこか共通点があると思っています。

プロが打っているショットも実は子供の頃、一般の方と同じような悩みを持っていたかもしれません。テニスエルボーがあったかもしれませんし、ダブルフォルトに悩まされたかもしれません。プロはそういったことを乗り越えているわけなので。プロのプレーを見るとグリップはみんな違いますし、フォームも違います。なのでそれだけ一般の方も研究し甲斐があるのだと思います。好きな選手を徹底的に真似しても面白いと思います。

そこをつなげるような実況が出来ればと思います。プレーするテニスと見るテニスをつなげる架け橋になりたいです。

それをきっかけにインターハイのレベル、インカレのレベル、日本のプロのレベル、トッププロのレベルと間のレベルを見比べられるようになれたらなと思います。

選手のデータやバックグラウンドは当然ですが、テニスの試合は長いので、楽しんでもらうためにはいろんな視点が必要だと思います。特にテニスをあまり知らない方には大事だと思います。

《吉崎仁康 独占インタビュー①》

《吉崎仁康 オフィシャルfacebook》

《吉崎仁康 オフィシャルブログ》


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(2014年12月31日8時46分)
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