ロシア・テニス協会会長で今週行われているクレムリン・カップの主催者であるシャミール・タルピシェフ氏は、彼がウィリアムズ姉妹へ向けたコメントが侮辱にあたるとし、WTAツアーに1年間の出入り禁止処分を受けた事に対して納得がいかないと土曜日に語っていた。
ロシアのテレビ番組に元世界ランク3位で2008年の北京オリンピック金メダリストの
E・デメンティエワ(ロシア)と共に出演した際、
S・ウィリアムズ(アメリカ)と
V・ウィリアムズ(アメリカ)の姉妹について“ウィリアムズ・ブラザーズ”と呼んだり“見ていると怖い”などとコメントした事に対する厳しい処分が、女子プロテニス協会のWTAから金曜日に下された。
女子プロテニス協会会長のステイシー・アラスターさんは「タルピシェフ氏の性別を疑問視するようなコメントは、我々の素晴らしいスポーツとこの二人の偉大なチャンピオンを汚す物です。彼の軽蔑的な発言は非難されるに値するし、罰を受けるのは当然の事です。」とする声明を出した。
タルピシェフ氏は2万5000ドル(約270万円)の罰金と、今後1年間女子ツアーへの関与を禁止する処分が下された。
クレムリン・カップの会場に訪れたタルピシェフ氏は、そのコメントについて後悔しているかと問われると、彼が出演したトークショーはいわゆるお笑い番組であり、そんな馬鹿げた質問に答えるつもりはないと不本意な結末について本音をぶつけていた。
そして下された処分については「コメントなんて出来ないさ。全く理解できないよ。」と語っていた。
後にロシア・テニス協会から発表された声明では、タルピシェフ氏は侮辱するような意図は全くなかった事であり、話の流れで言った事をその部分だけ取り上げられたとしている。
「どんなアスリートに対しても不快に思わせるような事はするつもりはなかったし、あの冗談がこんなに注目を集め、ここまでの騒動になるとは思わなかった。」とタルピシェフ氏。加えてウィリアムズ姉妹については「最高のアスリートであり、驚異的な強さと称賛すべき忍耐力の持ち主である。」と評していた。
ロシア・スポーツ省大臣のヴィタリー・ムトコ氏は、タルピシェフ氏が放ったコメントについては大変残念だとし、彼への処分は不愉快な物であり、軽減されるべきだと率直な意見を述べた。
事の発端はタルピシェフ氏がデメンティエワと共に出演したトークショーでの出来事で、司会者からデメンティエワへウィリアムズ姉妹と対戦するのはどんな物かと問われた際にタルピシェフ氏が割って入り、姉妹の事を“ウィリアムズ・ブラザーズ”と表し“目の前にすると恐怖を感じる”とのコメントをしていた。
タルピシェフ氏は男女共同開催として18年間開催されているクレムリン・カップの主催者であり、ロシアのオリンピック委員会のメンバーでもある。1990年代にはボリス・エリツィン元大統領の個人的なテニスコーチであり、テニスに関してのアドバイザーも務めていた。
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