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【コラム】フェデラー、勢い止められずタイトル逃す◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その4

今年、男子テニスでR・フェデラー(スイス)は、ウィンブルドンを優勝し世界ランク1位返り咲き。さらにロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した。今回は、2012フェデラーシリーズ その4をお届けします。

ロンドンオリンピック後、全米オープン優勝に照準を合わせる。フェデラーは全米オープンの前哨戦であるマスターズ1000大会のW&Sマスターズに出場し、B・トミック(オーストラリア)M・フィッシュ(アメリカ)S・ワウリンカ(スイス)に勝利、危なげなく決勝へ進出する。

決勝で待っていたのはBNLイタリア国際男子、全仏オープンで敗れるも、ウィンブルドンで勝利した世界ランク2位のN・ジョコビッチ(セルビア)だった。この試合は、第1セットを6−0と圧倒的なスコアでフェデラーが先取すると、第2セットはタイブレークへ突入。最後はクロスへのフォアハンドウィナーを決めて優勝。その瞬間、天を仰ぐフェデラー。この大会でフェデラーは1セットも落とすことなく、王者の力を発揮した形となった。

この勝利で、今季ジョコビッチと2勝2敗としたフェデラーは「1度もサービスゲームをブレークされなかった。このような自分を見せたかったんだ。」と、コメントしていた。

また、全米オープンについては「グランドスラム大会前に新しいことに取り組むことはほとんどない。やるべきことは終わっていて、あとは身体的、精神的に準備するのみさ。」と、優勝に向けて語った。

迎えた全米オープン、フェデラーはD・ヤング(アメリカ)B・パウ(ドイツ)F・ベルダスコ(スペイン)、さらにフィッシュが棄権を申し入れたため、順当にベスト8へ進出。準々決勝ではT・ベルディフ(チェコ共和国)と対戦することになり、フェデラーがベルディフのフラット系の強力なショットを対処するかに注目が集まった。

アーサーアッシュ・スタジアムのナイトマッチで行われたこの試合、互いにサービスキープを続けタイブレークヘ。しかし、鋭いリターンやサービスエースを決められ、タイブレークでわずか1ポイントしか奪えずに、第1セットを落としてしまうフェデラー。

第2セットは、第1ゲームでベルディフに強烈なフォアハンドのカウンターショットを決められ、15−40とブレークチャンスを与えてしまう。次のポイントでフェデラーは、普段では考えられないフォアハンドのミスを犯し、ベルディフにブレークされてしまう。この流れを打破できなかったフェデラーは、第2セットも奪われ、2セットダウンに追い込まれる。

しかし、全仏オープンではJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)、ウィンブルドンではJ・ベネトー(フランス)に2セットダウンから逆転していたため、フェデラーの大逆転が期待された。そして、第3セットでブレークに成功したフェデラーがこのセットを奪い、第4セットへ。これで大逆転へのシナリオに一歩近づいた。

だが、ベルディフの勢いは衰えず、フェデラーは第8ゲームでブレークを奪われてしまう。その後、ブレークバックできなかったフェデラーは6-7(1-7), 4-6, 6-3, 3-6で敗れ、2008年以来の全米オープン優勝を果たすことができなかった。

試合後、フェデラーは「とても失望している。もっとテニスの質を上げるプレーができると思っていた。特にこのスタジアムのナイトマッチでは、これまでも素晴らしいプレーをしてきたからね。この夏の好調を維持できたことには満足しているけど、今日も安定したプレーができると思っていた。でも、今夜はそうじゃなかった。期待はずれになってしまった。」と、落胆した。

また、2004年の優勝から2011年まで常にベスト4以上の成績を残してきたが、9年連続の4強入りを阻まれてしまった。加えて2001年以来、初めて第1シードがベスト4に進出できない事態となった。

その後、上海マスターズではロンドンオリンピックに続きA・マレー(英国)に敗れベスト4に終わり、今シーズン残す大会はスイス・インドアとATPワールド・ツアー・ファイナルの2大会となった。

過去5度優勝しているスイス・インドアでは、2回戦でT・ベルッチ(ブラジル)との戦いに苦しむも、決勝まで勝ち進むフェデラー。決勝ではデル=ポトロと対戦することとなる。昨年フェデラーは錦織圭(日本)と決勝で対戦したことでも話題となった。

デル=ポトロとの決勝は、互いに1セットずつ奪い合う。しかし、勝敗がかかった第3セットの第12ゲームでフェデラーは自身のサービスゲームで15−30とピンチを迎える。ここからフェデラーが3本連続のサービスエースを決め、勝負の行方はタイブレークへ。

このタイブレークはデル=ポトロの執念が上回り、最後の逆クロスへのフォアハンドをミスしたフェデラーは準優勝に終わった。デル=ポトロとはロンドンオリンピックでも対戦し、その時はフェデラーが4時間26分の大激闘を制していたが、今回はリベンジを果たされることとなった。

さらに、その後に発表された世界ランキングでジョコビッチに王者の座を譲ることとなってしまう。フェデラーは2012年シーズンで有終の美を飾るため、ATPワールド・ツアー・ファイナルに臨む。

予選ラウンドではスイス・インドア続きデル=ポトロに敗れるも、絶好調D・フェレール(スペイン)J・ティプサレビッチ(セルビア)に勝利し、決勝トーナメント進出を決める。決勝進出をかけてフェデラーは、準決勝で全米オープンでグランドスラム初優勝を果たしたマレーにストレートで勝利、決勝で王者ジョコビッチとの対戦を決める。

この大会で7度目の優勝へ向け、フェデラーは第1セット、第2セットともにブレークする幸先の良いスタートを切るも、ジョコビッチに追い付かれるパターンとなる。最後はジョコビッチのパッシングショットを決められ、今シーズン最後の大会は準優勝で終えることとなった。

この試合、フェデラーは30本のウィナーを記録しつつも42本の凡ミスを犯していた。一方、勝利したジョコビッチは19本のウィナーに対し、凡ミスは28本だった。

「ノヴァーク(ジョコビッチ)は、素晴らしいシーズンを送っていたし、今日の決勝戦も最高のプレーだった。自分自身もとても良いシーズンを送れたし、今日の試合もベストを尽くすことができた。それには支えてくれたチームの皆に感謝したい。こんな最高の大会に出場できたことも嬉しく思うし、また来年も帰って来たいと願っている。」とフェデラーは、試合後にコメントした。

フェデラーは今季6タイトルを獲得し、勝率は71勝12敗だった。現在、31歳のフェデラーは、2013年シーズンで世界中のテニスファンにどんな戦いをみせてくれるかが楽しみである。

【明日12月7日(金)は、今年の新星選手について振り返ります】

■過去のコラムはコチラ■
《「フェデラー、王者奪還なるか◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その1」はこちら》

《「フェデラーに神が降りる◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その2」はこちら》

《「フェデラー「グランドスラムで優勝したくらいの感情」◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その3」はこちら》

《「貴公子フェレーロ、やっと手にしたビッグタイトル◇第2弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「完璧主義者のフェレーロ、最後は涙のフィナーレ◇第2弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「ロディック、ギルバートと手を組み栄冠◇第1弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「ロディックに「フェデラー」という壁が立ちはだかる◇第1弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「フェデラー最大の被害者となったロディック「自分がどう感じるかが重要」◇第1弾 2012引退シリーズ その3」はこちら》

(2012年12月6日22時01分)

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