テニスの全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)は9日目の23日、男子シングルス準々決勝が行われ、第1シードの
R・ナダル(スペイン)の途中棄権により、思わぬ形で8年ぶりのベスト4進出を果たした第6シードの
M・チリッチ(クロアチア)は、試合後の会見で「ラファ(ナダル)はいつも必死に戦い、コートではベストを尽くす選手。オフシーズンもけがに苦しんでいたはず。あんな終わり方で、彼にとっては残念」とコメントした。
>>全豪OP 男子対戦表<<この日、セットカウント2-1とナダルにリードを許したチリッチだったが、集中力を切らすことなくプレーして第4セットを奪い返す。ファイナルセットの第2ゲームでチリッチがブレークに成功したところでナダルが途中棄権を申し入れた。
「(第3セットを)取れなかったのはアンラッキーだった。それから精神的にさらにレベルを上げなければと感じ、より集中して第3セットを忘れるように努めた。特に第4セットの出だしはエネルギーと集中力を高め、少しフリーポイントが取れ始めていた。全体的に、その頃から信じられないほどうまくボールが打てていた」
ナダルの異変について第4セットの第5ゲーム終了時に気づいたというチリッチは「彼(ナダル)がどこまでやれるか、どう戦ってくるか分からなかった。ただ自分自身に集中して良いプレーを続け、その集中力を維持しようとしていただけだった。そこで0-40となったけど、ブレークされなかった。あそこは第4セットで最も鍵になったところだったかもしれない」と3時間47分の激闘を振り返った。
また、途中棄権したナダルはツアーの過密スケジュールについて「ツアーを仕切っている人は、何が起きているか少し考えてほしい。あまりにも多くの選手がけがをしている」と試合後の会見で苦言。
これに対し、チリッチは「このスケジュールは、もう何年もそうだった。去年からそんな状況が始まった。多くの選手がけがをした。最終的に僕らが体をケアしなければならず、自分にとって正しいスケジュールを組んでいる。体と向き合い、どう感じているかを見る必要がある。非常に多くの大会を戦わなければならないのは理解している」
「自分の考えとしては、僕ら自身が僕らのスケジュールを決める。2カ月のオフを取ったり、多くの試合を削るのは難しいこと。なぜなら、テニスはとてもグローバルなスポーツだから。世界のどこでプレーしてもみんな楽しんでくれる。テニスはどんどんポピュラーになっていると思う。それは僕らも望んでいること」と持論を述べた。
準決勝では、ノーシードからの勝ち上がりで勢いに乗る世界ランク49位の
K・エドモンド(イギリス)と対戦する。今回が2度目の対戦で、昨年の上海マスターズ(中国/上海、ハード、ATP1000)2回戦ではチリッチがストレートで勝利している。
大会初の決勝進出がかかる大一番に向けてチリッチは「自分としては他の試合と同じように準備するだけ。メディアはラファより簡単な試合のように報じられているけど、彼はここにいるに値する選手」
「自分が集中しなければならないことは、自分自身のテニスを続けること。自分のコートで自分のことだけを考えようと思っている。また素晴らしい試合になればと願っている」と気を引き締めた。
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