テニスのウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は4日、男子シングルス4回戦が行われ、第2シードで2013年チャンピオンの
A・マレー(英国)に5-7, 1-6, 4-6のストレートで敗れた第15シードの
N・キリオス(オーストラリア)は、試合後の会見で率直な心境を明かした。
>>ウィンブルドン対戦表<<これまでも口にしていたように、それほどテニスが好きではないとしながら、最高のテニス選手になるために全力を尽くしていない。それを改善させられるか定かではないと語り、コーチなしで自由にツアーを回ることを楽しんでいるとも加えていた。
「ある時は、とてもやる気が湧いて練習やトレーニングをしている。そして試合をすることが楽しくて仕方がない。でもある時は、何もせずにいたいと思うこともある。世間のコーチは、そんな自分の考えに賛同してくれるかは分からない」と気まぐれな自身の性格を伝えていた。
21歳のキリオスは今年のウィンブルドンで4回戦進出を果たした最年少選手で、将来を期待されている選手の1人。そして、その才能は誰からも高く評価されている。これまでにも、
R・フェデラー(スイス)や
R・ナダル(スペイン)からも勝利を飾った。
しかし、股抜きショットを披露して観客を魅了したかと思うと、次の瞬間には暴言を吐いて批難の的になったりもする。
マレーとの対戦は、この日の注目カードの1つにあげられていた。しかし、マレーのフォアハンドのパッシングショットがキリオスのボレーのミスを誘った。そして、キリオスが第1セットを落とすと一気に一方的な展開となってしまった。
「第1セットはとても良かった。その後は本当に酷かった。第1セットを落とした直後に自信がなくなってしまった」とキリオス自身も述べていた。
加えて「細かく分析しながらコートに立ち、長い間戦い続ける経験をしている。でも今日は全くそうではなかった」と試合を振り返っていた。
どうしたら勝利を導けるか分からなかったと語りながら、この大切な試合へ向けて、朝からコンピューター・ゲームをしていたことを明かしていた。
「正直なところ、朝目が覚めてコンピューター・ゲームをしていた。それが試合への最善の準備かどうかは定かではないが、とても楽しかった」
しかしマレーは、これまでもメディアがキリオスに対して厳しすぎると、弁護してきていた。
試合後にマレーは、キリオスが試合中に諦めずに努力を続ける必要があるという意見に賛成すると語った。
「それぞれのことに対してしっかり導いてくれる正しい人を探せるかにかかっている。それがある選手にとってはコーチだったりする。ある選手にとっては心理学者かもしれない。時には家族と話をすることで解決するかもしれない。解決法は1つではない」とマレーは語った。
珍しくキリオスがレポーターと素直な応答を繰り返している中で、テニスで成功するために全力を尽くすことは、相反する考え方の持ち主なのかもしれないと明かしていた。
「これまでにも言ってきたように、時にはテニスが好きではなくなってしまう。でも、テニス以外に何をしたら良いか本当に分からない。明らかに試合をしているのは好きだ。それが今の人生の大半を占めている」と複雑な想いを伝えた。
(STATS - AP)
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