男子テニスツアーのマスターズ大会であるムチュア・マドリッド・オープン男子(スペイン/マドリッド、レッドクレー、賞金総額4,185,405ユーロ/優勝賞金799,450ユーロ)は10日、男子シングルス決勝が行われ、第2シードの
A・マレー(英国)が第3シードの
R・ナダル(スペイン)を6-3, 6-2のストレートで下してナダルの大会3連覇を阻み、同大会2008年以来7年ぶり2度目の優勝を飾った。
両者は今回が21度目の対戦となり、マレーとナダルの対戦成績は6勝15敗とした。クレーでの対戦では、今回マレーは初めてナダルから勝利をあげた。
マレーのサービスゲームから始まったこの試合、第1セットの第2ゲームでマレーはナダルのセカンドサービスに対してしっかり前に入ってリターンエースを決め、最後はナダルのストロークがアウトしてマレーが早くもブレークに成功する。
試合序盤、ナダルは緊張からか堅さが見られ、フォアハンドのミスが多かった。
しかし第7ゲームでは、それまでミスしていたナダルのストロークが決まり始め、マレーは2度のブレークチャンスを与えてしまう。しかし、粘りを見せたマレーがここから4ポイント連取してピンチをしのぎキープ。その後もマレーは、安定したサービスゲームを展開して第1セットを先取。
一方、第1セットでナダルはマレーにブレークされたサービスゲーム以外は、すべてラブゲームでキープしていた。
第2セットでは、第1ゲームでナダルらしくないミスが目立ち、マレーはリターンでナダルにプレッシャーをかけ、最後はナダルのバックハンドがネットにかかり、マレーがブレークに成功する。
その後第3ゲームでもブレークに成功したマレーは3ゲーム連取。その後もナダルに1度もブレークチャンスを与えず、最後まで試合の主導権を握り、攻めの姿勢を変えずマレーが勝利を手にした。
優勝したマレーは「ナダルとスペインで試合することは、大変厳しい状況ではありますが、だからこそこういった厳しい試合、このクレーでナダルに今日勝利をすることが出来たことを非常に嬉しく思っています。」と話し、今大会に関わっている方々に感謝の言葉を送った。
続けて「チームのみなさん、私を信じてくれて、クレーコートシーズンで良いスタートを出来たことを嬉しく思います。もう少しで全仏オープンですが、そこに向けてまた頑張っていきたいと思います。」とコメントした。
世界ランク3位のマレーは過去同大会で、2008年の準決勝で
R・フェデラー(スイス)を破り、決勝では
G・シモン(フランス)に勝利して大会初の優勝を飾っている。しかし、この時のサーフェスはハードコートで、クレーになってからはベスト8進出が最高成績となっていた。
今大会は初戦となる2回戦で
P・コールシュライバー(ドイツ)、3回戦で主催者推薦枠で出場の
M・グラノジェルス(スペイン)、準々決勝で第5シードの
M・ラオニチ(カナダ)、準決勝で第4シードの
錦織圭(日本)を下して勝ち上がり、今回決勝では大会2連覇中のナダルを下しての優勝となった。
優勝したマレーは、今回がマスターズ10度目の優勝となり、2013年のマイアミ・オープン以来のタイトル獲得となった。
一方、準優勝のナダルは過去同大会で2005・2010・2013・2014年と4度の優勝を飾っており、今大会は決勝まで1セットも落とさない圧倒的な強さで勝ち上がったが、マレーとの決勝ではミスが目立ち、観客の声援を受けるも応えられず大会3連覇とはならなかった。
しかし、今季は不調なシーズン序盤戦となっているナダルだが、先日行われたモンテカルロ・ロレックス・マスターズ準決勝では
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れるも大会を通じて「自信を取り戻せた」とコメント。
今大会は3連覇こそ出来なかったものの、相性の良い全仏オープンで本調子のクレーキング・ナダルが見られるか期待がかかる。
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