男子テニスの国別対抗戦デビスカップ決勝(フランス/ リール、インドアクレー)、フランスとスイスの試合は1勝3敗でスイスが勝利し、スイスの初優勝で大会を終えた。
決勝を行うに当たりフランスは
R・フェデラー(スイス)を封じ、勝つためにすべての事を行った。
まずホームで開催のフランスは国民のサポートを得る。そして会場をフランスのリール北部のサッカースタジアム、ピエール・モーロア・スタジアムでクレーコートを選択。フェデラーと
S・ワウリンカ(スイス)は先日まで行われていたツアー・ファイナルズのハードコートからわずか1週間程度でサーフェスの変化に対応しなくてはいけない状態にした。
そしてフランスはチーム力強化のため1週間前から合宿を行ったが上手く行かなかった。
「私たちはいろんなことがどのように変化したがすぐに見たよ。週の前半ではロジャー(フェデラー)の背中の状態についてと、フランスチームの準備の完璧さについて報道されていた。しかし終わってみると反対だったね。」とワウリンカは話している。
フランスは10度目の優勝を逃した。2010年にはセルビアに、2002年にはロシアに敗れ準優勝としている。今回の敗因は監督
A・クレマン(フランス)の采配によるものではないかという声が浮上している。
クレマンは23日、地元メディアからの批判に直面していた。その内容は
JW・ツォンガ(フランス)が試合前から腕を痛めていたにもかかわらず、22日に行われたシングルスに出場させたことについてだ。
ツォンガは合宿中に腕を痛めたにも関わらず、シングルスに出場すると決めた。しかしツォンガはワウリンカと対戦し敗れた。そしてツォンガに代わり
R・ガスケ(フランス)が出場したダブルスでもフランスは敗れ、1勝2敗と後が無くなっていた。
23日に行われたシングルスでもガスケが出場し、フェデラーと対戦するもストレートで敗れフランスの準優勝が決まった。
「監督としてもちろん考えてた。より良い作戦は無いかと。トレーニング中にも試合中にも自分に問いかけていた。」とクレマンは話し、「私には素晴らしい未来が必要だった。しかしスイスは私たちより優れていた。」とコメントした。
ツォンガの怪我は23日までフランスは確認できていなかったが、フランス・テニス協会会長のジャン・ガシャサン氏が地元フランスのテレビのインタビューで、ツォンガは肘に痛みがあるため、23日のシングルスに出場するかわからないとコメントし、混乱を招いていた。
クレマンはツォンガの怪我を隠しておきたかった。
フェデラーはツォンガと対戦するつもりでいたが、ガスケとの対戦に変更されても6-4, 6-2, 6-2のストレートで勝利した。
フランスは選手層が厚いためツォンガに代わる選手が多くいる。
今回控えの
G・シモン(フランス)はチャンスが与えられるべきだったのではという質問に対し、「そういう考えはずいぶん前にやめたよ」と答え、ツォンガの試合出場については、「ジョー(ワウリンカ)が決めたこと。何が起こるかなんて考える必要もないよ。」と話した。
シモンは10月に行われた、上海マスターズでワウリンカを下し、フェデラーに敗れるも準優勝を果たしていた。
フランスにとって唯一嬉しかったことといえば、21日に行われたシングルス2試合目で
G・モンフィス(フランス)がフェデラーを下し、1勝1敗としチームの勝利に貢献したことだった。
顔を暗くしていたモンフィスはただ一言「残念だった。」とコメントを残した。
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