男子テニスツアーのBNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、ハード、賞金総額約345万ユーロ/優勝賞金約57万ユーロ)は30日、シングルス3回戦が行われ、第8シードの
A・マレー(英国)が第9シードの
G・ディミトロフ(ブルガリア)を6-3, 6-3のストレートで下すと同時に、最終戦への出場権を自力で獲得した。
昨年は腰の手術を受けたため、全米オープン後はツアー離脱を余儀なくされ最終戦も欠場していたマレー。今季はその怪我から復帰して臨んでいたが、なかなか好成績に繋がらず、連覇を目指して挑んだウィンブルドンでは準々決勝でディミトロフに敗れ、今季4位でスタートしたランキングも先月には12位へと大きく落としていた。
この日、ウィンブルドンでの敗戦のリベンジを果たしたマレーは「もっと悪いシーズンになる可能性もあった。手術からの復帰は全く簡単ではなかったし、それを学んだ。今年最初の数ヵ月はとても難しかった。でも終盤になって結果が出始めて、そんなシーズンを救う形に出来たと言える。ベストのシーズンではなかったが良いシーズンだった。去年手術を受けてなかったら、この位置にいられなかったかも知れない。」と本音を語っていた。
マレーは試合後カメラに向かってサインを求められると、“バッド・イヤー”(悪い年)と書き、今季の不振に対する批判のような意見へのメッセージを添えていた。
その事についてマレーは「あれは批判に対してからかっていたと言うよりちょっとしたショークさ。どうしていつもに比べると精彩を欠いているのかと、常に聞かれるんだ。それに答えて何かを言うのは可能だけど、自分はそうしようとはしなかった。でも見てくれ、今年は厳しく辛い年だったかもしれないけど、悪い年じゃなかっただろう。」と今シーズンの評価をプレーで表せた事を語っていた。
マレーは全仏オープン後に、それまでコーチだった
I・レンドル(アメリカ)との関係に終止符を打つとウィンブルドン直前には新たに女性コーチ、
A・モレスモ(フランス)をコーチに招き入れていた。そして先月行われたシンセン・オープンで去年のウィンブルドン以来となる優勝を飾ると、今月に入りエルステ・バンク・オープン、バレンシア・オープンとタイトルを獲得し、この5週間で3度の優勝を飾り一気に最終戦出場の可能性を高めた。
《マレー シンセン・オープン優勝》《マレー エルステ・バンク・オープン優勝》《マレー バレンシア・オープン優勝》マレーは準々決勝で第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。ジョコビッチはこの日、
G・モンフィス(フランス)を6-3, 7-6 (7-2)で下し、対戦成績を11勝0敗と連勝記録を伸ばした。
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