テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は6日、男子シングルス準決勝が行われ、第10シードの
錦織圭(日本)が第1シードで世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)を6-4, 1-6, 7-6 (7-4), 6-3で下し、四大大会初と同時に日本勢初の決勝進出を果たす快挙を成し遂げた。準決勝で錦織は王者ジョコビッチの力を封じ、『運』も引き寄せた。
2時間52分の激闘を制した錦織はジョコビッチと握手を交わした後、子供のように飛び跳ねて自身初となるグランドスラム決勝進出の喜びを爆発させた。
右足親指の手術により全米オープン出場も危ぶまれた錦織の快進撃は、素晴らしい戦いを世界中のテニスファンに披露している。
1・2・3回戦はストレートで勝利してシードの貫録を見せつけるも、4回戦では第5シードでビッグサーバーの
M・ラオニチ(カナダ)にフルセットの大激闘の末に勝利した。
続く準々決勝、今年の全豪オープンで当時世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)らを下してグランドスラム初優勝を飾った第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)にラオニチ戦と同様フルセットの戦いを強いられるも、四大大会4強入りを決めた。
迎えた準決勝、コートカバーリングが抜群な王者ジョコビッチに対し勝てると信じ続けた錦織は攻撃の手を緩めずにファイトした。
冒頭に書いた『運』を引き寄せていたというのは、ジョコビッチとの試合後に起きた。
それは雨。
もし錦織はジョコビッチにフルセットへ持ち込まれていた場合、雨による中断でジョコビッチの息を吹き返させていたかもしれなかった。
だが、セットカウント3-1で勝利した錦織は『運』を引き寄せた。一般的に「運も実力のうち」と言われるが、錦織はまさしく『実力で運を引き寄せた』と言える。
また、今大会で錦織は勝利の時に必ず白いウエアを着用しており、ジョコビッチとの準決勝はユニクロ対決でも話題となった。
初のグランドスラムタイトル獲得を狙う24歳の錦織は、決勝で第14シードの
M・チリッチ(クロアチア)と対戦する。
錦織より1つ年上のチリッチは、準決勝で第2シードの元王者
R・フェデラー(スイス)をストレートで下して錦織同様、四大大会初の決勝進出を決めている。
両者は今回が8度目の激突で、過去の対戦成績は5勝2敗と錦織が勝ち越している。また、全米オープンだけで見ても今回が3度目。2010年には5-7, 7-6 (8-6), 3-6, 7-6 (7-3), 6-1で錦織、2012年は6-3, 6-4, 6-7 (3-7), 6-3でチリッチが勝利している。
2014年全米オープン男子シングルス決勝は、現地9月8日に行われる。
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