テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は6日、女子シングルス決勝が行われ、快進撃を続けていた第23シードの
S・リシキ(ドイツ)は第15シードの
M・バルトリ(フランス)に1-6, 4-6のストレートで敗れ、グランドスラム初優勝を逃すと同時に、ドイツ女子で1996年にタイトルを獲得した元世界ランク1位
S・グラフ(ドイツ)以来17年ぶりの優勝とはならなかった。
この試合、世界ランク24位リシキは持ち味の強烈なサービスとストロークが試合序盤で決まらなかった。終盤では本来の力を発揮するも、サービスエースの数は6本、ウィナーは21本を記録するも凡ミスを25本犯してしまい、1時間21分で同15位バルトリに敗れた。
試合後リシキは、涙ながらに「ちょっと圧倒されてしまった。彼女(バルトリ)は素晴らしいプレーをしていた。彼女に、また挑戦したいわ。」と、コメント。
「この大会は大好きなの。このコートも、皆さんの事も。2週間を通して、応援してくれてありがとう。私は今回の困難を乗り越えようとしたけど、上手くいかなかった。」
「私のチームの皆、本当にありがとう。私達は色んな事を一緒にやってきて、グランドスラム決勝へ遂に進出した。また、次のチャンスを狙いたい。」
両者は今回で5度目の対戦となり、リシキはバルトリに対し3勝2敗とした。
リシキは準決勝で
A・ラドワンスカ(ポーランド)に勝利した時点で、ウィンブルドンでは1999年以来14年ぶりのドイツ勢決勝進出となった。1999年にはグラフが決勝へ進出するも、
L・ダベンポート(アメリカ)に敗れ準優勝に終わった。
今年のウィンブルドンで世界ランク24位のリシキは、快進撃を続けての決勝進出だった。
1回戦で2010年の全仏オープン覇者で元世界ランク4位の
F・スキアボーネ(イタリア)、2回戦ではウィンブルドンの前哨戦であるAEGON国際オープン女子で優勝の
E・ヴェスニナ(ロシア)、3回戦では2011年の全米オープンで優勝を飾った第14シードのS・ストザーに勝利した。
そして、4回戦では第1シードで前年度チャンピオンの
S・ウィリアムズ(アメリカ)を破る大金星をあげると同時に、世界ランク1位セリーナの連勝記録を34でストップさせた。
さらに、準々決勝では元世界ランク15位の
K・カネピ(エストニア)に快勝、準決勝では第4シードで昨年のファイナリストであるラドワンスカを6-4, 2-6, 9-7の激闘の末に下し、グランドスラム初の決勝進出を果たした。
一方、今年のウィンブルドンは上位シード勢がベスト8を前に敗退する波乱に見舞われており、8強入りしていた中でのグランドスラム優勝経験者は第6シードの
N・リー(中国)と第8シードの
P・クヴィトバ(チェコ共和国)だったが、その2選手は準々決勝敗退となった。そのため、ベスト4へ進出した4選手では、誰が優勝してもグランドスラム初のタイトル獲得となっていた。
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