テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は3日、男子シングルス準々決勝が行われ、第1シードで世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)が第7シードのT・ベルディフを7-6 (7-5), 6-4, 6-3のストレートで下し、4年連続のベスト4進出を決めると同時に、2011年以来2年ぶりの優勝へ前進した。
この試合、ジョコビッチは16本のサービスエースと36本のウィナーを決めた。さらに、凡ミスを13本に抑えたジョコビッチは、ベルディフのサービスゲームを4度ブレークし、2時間15分で勝利した。
試合後、ジョコビッチは「中盤から攻撃的に前に踏み込んでプレー出来た事が勝利につながったよ。」と、コメント。
両者は今回で16度目の対戦となり、ジョコビッチが14勝2敗とリードを広げた。
また、今大会は上位シード勢の早期敗退が続いており、2回戦が終わった時点でウィンブルドン優勝者はジョコビッチのみだった。7度の優勝を誇る
R・フェデラー(スイス)と2002年覇者の
L・ヒューイット(オーストラリア)は2回戦敗退、2度の優勝を飾っている
R・ナダル(スペイン)はグランドスラムでキャリア初となる初戦敗退を喫していた。
そのため、ベスト8へ進出した中ではグランドスラム優勝経験者はジョコビッチ、第2シードの
A・マレー(英国)、第8シードの
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)の3選手となった。
今年ジョコビッチは、全豪オープンでオープン化以降初となる大会3連覇を達成すると同時に、大会4度目の優勝を飾った。その後のモンテカルロ・マスターズでは、ナダルの前人未到9連覇を阻止し、大会初優勝を飾った。
しかし、全仏オープンでは準決勝でナダルとフルセットの激闘を繰り広げるも、接戦の末に敗れキャリア・グランドスラム達成を阻まれた。
決勝進出をかけてジョコビッチは、第4シードの
D・フェレール(スペイン)をストレートで下した第8シードのデル=ポトロと対戦する。準々決勝でデル=ポトロは、第1セットの第1ゲームで足を滑らせ転倒し左膝を負傷するも、持ち味の強烈なショットでフェレールを圧倒した。
ジョコビッチとデル=ポトロの過去の対戦成績は、8勝3敗とジョコビッチが勝ち越している。しかし、ウィンブルドンと同じ会場で行われた昨年のロンドンオリンピック3位決定戦では、デル=ポトロがジョコビッチをストレートで破り、銅メダルを獲得している。
今後に向けて、ジョコビッチは「全ての試合に勝つ準備は出来ている。いつも以上にモチベーションは高いよ。2年前に優勝した経験を活かして戦うつもり。」と、語った。
一方、準々決勝でジョコビッチに敗れたベルディフは、2010年のウィンブルドン準決勝でジョコビッチをストレートで破り、初のグランドスラム決勝の舞台へ進出した。その時は決勝でナダルに敗れるも、準優勝を飾った。世界ランク6位のベルディフは、未だグランドスラムタイトルを獲得していない。
また、今年のBNLイタリア国際男子でベルディフは準々決勝でジョコビッチと対戦し、2-6, 7-5, 6-4の逆転で勝利していた。
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