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【コラム】王者の椅子を譲る時、そして運命を分けた1ポイント◇第5弾 2012激闘シリーズ その6

本日も2012年のテニス界「激闘シリーズ」をお届けします。今回はウィンブルドン準決勝のR・フェデラー(スイス)とN・ジョコビッチ(セルビア)の試合です。

2011年の全豪オープンで優勝を果たし、そこから圧倒的な強さを発揮してきたジョコビッチ。その年のマスターズ1000大会で数々の優勝を果たし、グランドスラムではウィンブルドン、全米オープン、さらに今年の全豪オープンでは大会2連覇を達成した。またジョコビッチは、2011年のウィンブルドン後に世界ランキング1位の座も手にした。

対するフェデラーは2010年の全豪オープン以降グランドスラムタイトルを獲得しておらず、2010年6月には世界ランキング1位から転落し、以降トップ4に位置した。

《「フェデラーが16度目のグランドスラム制覇◇全豪オープン」過去記事はこちら》

両者のウィンブルドン準決勝はビッグマッチとなった。もし、フェデラーがジョコビッチを破り同大会で優勝すると世界ランキング1位となる1戦。ジョコビッチとしては、王者の椅子に座り続けるには元王者フェデラーに絶対勝たなければいけなかった。

【第1セット】
この日は雨が降っていたため、センターコートは屋根が閉じられた状態で試合が開始した。

フェデラーは1ポイント目から「様子を見る」などはせず、全力でポイントを奪いにいく。それはフェデラーの目つきと集中しているオーラから、誰もがそう思った。この試合は、フォア・バック、そしてサービスとボレーなど全てのショットにおいて高い精度で王者ジョコビッチを攻め立てた。

タイトル防衛と王者としてのプレッシャーからか、ジョコビッチはいつものようにウィナーを決めきれなく、フェデラーに押される。

そして、芝を知り尽くし、この地で過去6度の優勝を誇るフェデラーが第6ゲームでブレークに成功、ゲームカウント4-2とリードする。以降、この1ブレークを守り切ったフェデラーが第1セットを先取する。

【第2セット】
第1セットを奪われても決して慌てなかったジョコビッチは、ポイント獲得時には毎回ガッツポーズをみせ自分自身を盛り立て、第2ゲームでフェデラーを左右に揺さぶりブレークに成功、ゲームカウント2-0とリードする。

そして、最後ワイドへサービスエースを決めたジョコビッチがこのセットを奪い、セットカウントは1-1となる。

【第3セット】
第2セットを落としても動揺する様子を全く見せず、逆に集中力がさらに増したように見えたフェデラーは、さらにプレーの質を上げていき、ジョコビッチに強打を打たせないためにバックハンドのスライスを織り交ぜるなどで、サービスキープを続ける。

迎えたジョコビッチのサービスゲームである第10ゲーム、このゲームが勝敗を分けたゲームであった。

王者ジョコビッチの動きを止めるショットを決めるなどで、15-30とリードを奪うフェデラー。そして、次のポイントでフェデラーがなんとか返球したボールに対し、ジョコビッチは絶対決めなければいけいないスマッシュをミス。これで15-40とブレークポイントを握ったフェデラーは20本続いたラリー戦で、最後強烈なスマッシュで決めてこのセットを奪い、セットカウント2-1とする。

ジョコビッチとしてはあのスマッシュのミスがセットを奪われたことに影響したのは間違いない。

第3セットを取ったフェデラーは、いつも以上のガッツポーズをみせ、そして2度も吠えた。

【第4セット】
完全に試合の流れを自分に傾けたフェデラーは、第2ゲームでジョコビッチの怯んだ隙をついてすぐさまブレーク、以降は互いにサービスキープを続け、2時間19分の試合に終止符を打った。

史上最多8度目の決勝進出を決めたフェデラーは「ノヴァークのように、昨年結果を残している選手に勝つのは、いつでも気持ち良いこと。ここで勝つことにはたくさんの意味がある。メジャーの最多勝記録や、ナンバー1とかね。」

《「フェデラーが王者ジョコビッチ破る◇ウィンブルドン」過去記事はこちら》

その後フェデラーは決勝で、フレッド・ペリー以来となる76年ぶりの地元勢優勝がかかっていたA・マレー(英国)に勝利し、史上最多に並ぶ7度目のウィンブルドン優勝を果たすと同時に、世界ランク1位に返り咲くことも確定、P・サンプラス(アメリカ)が持つウィンブルドン最多勝利と世界ランク1位保持286週の2つの記録に並んだ。

《「フェデラーが史上最多に並ぶ7度目V 王座返り咲き◇ウィンブルドン」過去記事はこちら》

【次回は12月17日(月)、今年の全米オープン激闘シリーズをお届けします】

○過去のコラムはコチラ○

【激闘シリーズ】
《「王者ジョコビッチの意地◇第5弾 2012激闘シリーズ その1」はこちら》

《「錦織、2セットダウンからの生還◇第5弾 2012激闘シリーズ その2」はこちら》

《「4度の絶体絶命を振り切った王者◇第5弾 2012激闘シリーズ その3」はこちら》

《「5度目の正直は「あと1歩」が遠かった◇第5弾 2012激闘シリーズ その4」はこちら》

《「「40時間くらい」と思わせるフルセットマッチ◇第5弾 2012激闘シリーズ その5」はこちら》

【新星選手シリーズ】
《「フェデラーを脅かし、クレイステルスを破った若手達◇第4弾 2012新星選手シリーズ その1」はこちら》

《「ナダルを打ちのめした恐ろしい男◇第4弾 2012新星選手シリーズ その2」はこちら》

《「これぞ「快進撃」と言わしめた男◇第4弾 2012新星選手シリーズ その3」はこちら》

【フェデラーシリーズ】
《「フェデラー、王者奪還なるか◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その1」はこちら》

《「フェデラーに神が降りる◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その2」はこちら》

《「フェデラー「グランドスラムで優勝したくらいの感情」◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その3」はこちら》

《「フェデラー、勢い止められずタイトル逃す◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その4」はこちら》

【引退選手シリーズ】
《「貴公子フェレーロ、やっと手にしたビッグタイトル◇第2弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「完璧主義者のフェレーロ、最後は涙のフィナーレ◇第2弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「ロディック、ギルバートと手を組み栄冠◇第1弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「ロディックに「フェデラー」という壁が立ちはだかる◇第1弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「フェデラー最大の被害者となったロディック「自分がどう感じるかが重要」◇第1弾 2012引退シリーズ その3」はこちら》

(2012年12月15日17時14分)

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