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テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は大会13日目の8日、男子シングルス決勝が行われ、第3シードのR・フェデラー(スイス)が第4シードのA・マレー(英国)に4-6, 7-5, 6-3, 6-4で勝利、大会史上最多記録に並ぶ7度目の優勝、さらに自らの持つグランドスラム最多勝記録を17に更新した。
2010年の全豪オープン以来となるグランドスラム優勝となったフェデラーは、およそ2年ぶりに世界ランク1位に返り咲くことも確定、P・サンプラス(アメリカ)が持つウィンブルドン最多勝利と世界ランク1位保持286週の2つの記録に並んだ。
「素晴らしいことです。僕のヒーローだったサンプラスと並べました。」と過去2年はベスト8止まりだったフェデラー。「ただ驚いています。」
一方のマレーは、地元勢として74年ぶりとなるウィンブルドン決勝に進出、さらに優勝すれば自身初のメジャータイトル獲得、さらにフレッド・ペリー以来となる76年ぶりの地元勢優勝がかかっていたが、フェデラーの前に涙をのんだ。
屋根が開けられたセンターコートで始まった決勝、オープニングゲームでマレーがいきなりブレークに成功、試合の主導権を握るかと思われたが、対するフェデラーは第4ゲームでブレークバックに成功、流れを引き戻す。
両者ともにサービスキープを続ける中、第1セット第8ゲーム、5度のデュースと接戦となったこのゲームを10分以上かけてサービスキープしたマレーが、続く第11ゲームでこのセット2度目のブレークに成功すると、続く第12ゲームをキープ。地元ファンの後押しを受けるマレーがセットを先取する。
フェデラーのサーブで始まった第2セット、序盤からともにサービスキープが続く展開のまま迎えた第12ゲーム、このセット2本目のブレークチャンスを迎えたフェデラーがドロップボレーを決め、1セットオールに追いつく。
客席からは英国のキャサリン王女をはじめ、キャメロン首相、サッカー選手のデビッド・ベッカムなどが見守る中始まった第3セット、ゲームカウント1-1で迎えた第3ゲーム途中で雨が降り出し試合は一時中断となる。
センターコートの屋根が閉められ、およそ40分後に試合が再開されると、第6ゲームで試合が動き出す。マレーのサービスゲームで40-0となるが、ここからフェデラーがデュースに追いつくと、一進一退の攻防が続き、6本目のブレークチャンスを決めたフェデラーがブレークに成功、ゲームカウント4-2とリードを奪う。このリードを守り切ったフェデラーが第3セットを奪取、セットカウント2-1とリードする。
「今日は屋根が閉まったことで助けられたかも知れません。屋根が閉まることで、どうなるか分かりませんでした。」とフェデラー。一方のマレーは「屋根が閉まってから、彼は信じられないテニスをしていました。」とコメントしている。
マレーのサーブで始まった第4セット、第5ゲームでマレーが立て続けにミスを犯して15-40とフェデラーにブレークチャンスが訪れると、ネットラッシュを仕掛けるマレーの横をフェデラーがバックハンドでパッシングショットを決めてブレークに成功する。
何とか追いつきたいマレーに対し、フェデラーは盤石の態勢でサービスキープを続ける。そして迎えた第10ゲーム、40-15とフェデラーに2本のマッチポイントのチャンス。1本目はマレーがしのいだが、40-30からの2本目でマレーの放ったフォアのパスがサイドに切れてゲームセット。3時間24分の激闘を制したフェデラーは、喜びのあまり、その場で倒れ込んだ。
グランドスラム通算4度目の決勝ながら、またしてもタイトルに手が届かなったマレーは「もう少しでした。」と表彰式で涙ながらにコメント。しかし「おめでとう、ロジャー。優勝に相応しいと思います。」とフェデラーを称えた。
「ウィンブルドンでプレーするプレッシャーについて、色々と言われていますが、試合を見てくれる皆さんが力をくれます。信じられないサポートでした。ありがとうございます。」とマレーがファンに感謝を述べると、会場は万雷の拍手でこれに応えた。
今大会では2003年から5連覇を達成するなど、抜群の相性の良さを誇るフェデラーは「他のどこよりも気分良くプレーできます。理由は分かりませんが、とても特別な場所です。」と、大会への思いを語っている。
また「今回はトロフィーを持っている自分を想像しようとはしませんでした。」としつつも「今日、この場所で自分が何を成し遂げたのか理解するのに、少し時間がかかるでしょう。」と、フェデラーは7度目の栄冠に夢心地だった。
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