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男子テニスで、UPSETS OF THE YEAR(年間番狂わせ試合)2位にBNPパリバ・マスターズ3回戦でA・マレー(英国)がJ・ヤノヴィッツ(ポーランド)に敗れた試合が選出された。本日も今年に入り世界に名を広めた選手として、マレーを破ったヤノヴィッツに焦点を当ててご紹介します。
当時、世界ランク69位だったJ・ヤノヴィッツは、マスターズ1000大会であるBNPパリバ・マスターズに予選から出場、D・ツルスノフ(ロシア)、F・セラ(フランス)に勝利し本戦出場を決めた。
本戦では、1回戦で当時世界ランク19位だったP・コールシュライバー(ドイツ)、2回戦では同15位のM・チリッチ(クロアチア)の格上選手にそれぞれストレートで勝利し、3回戦進出した。
3回戦で待っていたのは、ロンドンオリンピックでシングルス金メダル、L・ロブソン(英国)とのミックスダブルスでは銀メダル、さらに全米オープンでは悲願のグランドスラムタイトルを獲得したA・マレーだった。
この試合、世界ランク3位のマレーが第1セットを奪い、第2セットの第10ゲームでサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。そして、マレーが40-30とマッチポイントを握り、だれもが「マレー勝利」と、頭をよぎった。
しかし、このゲームだけでフォアハンドの凡ミスを3本犯したマレーの隙をついたヤノヴィッツが驚異的な粘りをみせ、土壇場でブレークバックに成功する。その後、タイブレークの末に第2セットを奪い、手がつけられない状態になったヤノヴィッツ。勝敗がかかった第3セットをゲームカウント6-2で奪いゲームセット。勝利の瞬間、ヤノヴィッツは嬉しさのあまり両手で顔を覆い、コートに倒れ込んだ。
《「ヤノヴィッツ vs マレー戦」はこちら》
以降もヤノヴィッツの勢いは衰えずJ・ティプサレビッチ(セルビア)、G・シモン(フランス)の強敵に勝利し、今季絶好調のD・フェレール(スペイン)が待つ決勝の舞台へ駒を進めた。
《「ヤノヴィッツ vs ティプサレビッチ戦」はこちら》
《「ヤノヴィッツ vs シモン戦」はこちら》
ティプサレビッチとの試合後にヤノヴィッツは「僕の人生に何が起こっているのかを説明するのは簡単なことではないね。魔法にかけられたみたいだよ。」と、語った。
また、これまで大きなスポンサーがついていなかったことについては「この勝利でスポンサーがついてくれるといいね。今年の全豪オープンはお金がないだけの理由で参加できなかったからね。」ともコメントしていた。
決勝戦、ヤノヴィッツは203cmからの強烈なサーブとフォア・バックともに強力なショットを打ち続けるも、世界ランク5位フェレールにことごとく返球され、結果ストレートで敗れてしまう。
予選から出場し、決勝までの快進撃について「今回の快進撃を誇りに思っている。信じられない1週間だった。」と、語った。
この活躍でヤノヴィッツは、今年221位でスタートさせた世界ランキングを26位にまでジャンプアップさせて、今シーズンを終えた。
この調子を維持するとN・ジョコビッチ(セルビア)、R・フェデラー(スイス)などのトップ選手を脅かす存在になることは間違いないだろう。
【明日12月10日(月)からは、今年の全豪オープン激闘シリーズをお届けします】
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