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男子テニスのマスターズ・シリーズであるBNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、賞金総額242万7975ユーロ、インドアハード)は2日、シングルス準々決勝4試合が行われ、前日第3シードのA・マレー(英国)を破り、予選勝者のJ・ヤノヴィッツ(ポーランド)がこの日も第8シードのJ・ティプサレビッチ(セルビア)を破り、自身初となるマスターズ1000大会での準決勝進出を果たした。
ティプサレビッチとの対戦でヤノヴィッツは第1セットを失うものの、続く第2セットを奪い返し、3-6, 6-1, 4-1で自身のサービスゲームを迎える。
この場面でティプサレビッチがトレーナーを呼び試合を続けようとしたが、40-0となったところで、棄権を申し入れたため、ヤノヴィッツは勝利を手にした。
「僕の人生に何が起こっているのかを説明するのは簡単なことではないね。魔法にかけられたみたいだよ。ただ1球1球をコートにいれようとしていただけなんだけどね。僕の家族は昨日の試合の後も、今日の試合の後も泣きわめいているよ。」と、心境を語るヤノヴィッツ。
ティプサレビッチについてヤノヴィッツは「彼(ティプサレビッチ)の体調が悪いとは全然気付かなかったよ。彼はずっと同じプレーを続けていたからね。おそらくめまいや頭痛なんだろうね。」と、語っている。
ヤノヴィッツは自身の子供時代について尋ねられると「本当に手のかかる子供だったよ。高校では先生を含めて誰とでも喧嘩していたしね。例えば、なぜマレーと試合しても緊張しないのか、と尋ねられてもそれに答えるのは難しいね。」と、自身の性格についても答えている。
ヤノビッツはこれまで大きなスポンサーがつかず、下部大会であるフューチャーズの大会にも参加していたが「この勝利でスポンサーがついてくれるといいね。今年の全豪オープンはお金がないだけの理由で参加できなかったからね。」と、語る。
世界ランク69位のヤノビッツは、第5シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)に6-4, 6-4のストレートで勝利したG・シモン(フランス)と対戦する。シモンは3回戦で第15シードの錦織圭(日本)と対戦予定であったが、錦織が試合前に棄権を申し入れたため労せずして準々決勝進出を果たしていた。
第4シードのD・フェレール(スペイン)は第6シードのJW・ツォンガ(フランス)と対戦。6-2, 7-5のストレートで勝利し、自身初となるマスターズ1000大会でのタイトル獲得の向け一歩前進した。フェレールはN・ジョコビッチ(セルビア)に勝利したS・クエリー(アメリカ)に7-6 (7-4), 6-3で勝利したM・ロドラ(フランス)と準決勝で対戦する。
フェレールは、2008年今大会のチャンピオンであるツォンガとの対戦で、自身のサービスゲームを1度もブレークされることなく、逆に3度ツォンガのサービスゲームを破り、第2セットに迎えた3度目のマッチポイントで試合に勝利した。
フェレールと対戦するロドラは、フェレールのほうがプレッシャーがあると考えており「ドローを見ると、今ではフェレールが優勝候補筆頭だから、彼のコーチは『このチャンスを生かさない手はないぞ!これで勝てないと恥ずかしいぞ!』と言っているだろうね。」と、ジョークを交えて語っている。
この日行われた試合の結果は以下の通り。
シングルス準々決勝
D・フェレール (4) ○-× JW・ツォンガ (6), 6-2, 7-5
G・シモン ○-× T・ベルディフ (5), 6-4, 6-4
J・ヤノヴィッツ ○-× J・ティプサレビッチ (8), 3-6, 6-1, 4-1, 途中棄権
M・ロドラ ○-× S・クエリー, 7-6 (7-4), 6-3
(翻訳/大木茂敬)
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