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今週末に行われる予定の男子国別対抗戦(デビスカップ)のアジア・オセアニア・ゾーン3回戦は、ワールドグループ入りを懸けてオーストラリアがインドへ訪れて試合を行うはずだったが、オーストラリアは政情が不安定なインドへの渡航を拒否したことで、インドの不戦勝が国際テニス連盟(ITF)から言い渡された。
同時にITFは、試合を拒否したオーストラリアに来年1年間、デビスカップへの出場禁止処分を下した。そのことを受け、オーストラリアのエースで元世界ランク1位のL・ヒューイット(オーストラリア)が、国を代表するそのデビスカップで、祖国オーストラリアを自分の力でワールドグループへと導く道が絶たれ、デビスカップでのプレーも終わりを迎える可能性が高いと自身のブログで語った。
現在28歳のヒューイットは、2001年11月に世界ランク1位の座に着いたが、2006年にトップ10から脱落してから怪我などもありランキングは下降線をたどり、今年2月にはトップ100からも転落していた。しかし、4月のヒューストンでの大会で2007年2月以来のツアー優勝を飾り、ランキングも50位台へと復活させた。
しかしながら、年齢のこともあり、テニス選手としてキャリアの終盤に来ていることは自覚しているヒューイット。これまでもデビスカップへの出場を優先に考えたほど国の代表に誇りを持っていたが、来年1年間の出場停止は、再びエースとして国を世界の舞台へ導くには厳しいと思わざるを得なかった。
「ITFの処分は、テニス選手として自分にとってはとても厳しい分かれ道になるだろう。デビスカップの代表選手としてもキャリアの終わりに繋がる可能性も高い。個人的には、まだ代表選手としてやり残していることがあるんだ。オーストラリアをワールドグループへ戻すことを含めてね。」と、ヒューイットは複雑な気持ちを語った。
全仏オープンへの準備としてヨーロッパへ渡りクレーシーズンをプレーすることは、同時にランキングを上げることにも繋がったヒューイットだったが、インドとの試合に臨むためそれには出場せずにオーストラリアで調整するほど、デビスカップへのこだわりが大きかった。
そんな彼も、全仏オープンへ向けて気持ちを切り替え、このデビスカップに出場しないことを受けて急遽ヨーロッパへ渡り、大会へ出場するめに、今週開催されているセルビアでのセルビア・オープンへ主催者推薦枠を申請したが、その枠はM・バグダディスに渡ってしまい出場には至らなかった。
しかし、同時に開催しているドイツはミュンヘンのBMWオープンで主催者推薦枠を獲得し、本戦出場を果たしている。火曜日の1回戦で勝利を挙げたヒューイットは、これがキャリア500勝目と記念すべき勝利を手にすることができた。
地元の声援を受けるP・ペッツシュナー(ドイツ)を6-2, 6-7(2-7), 7-6(9-7)の接戦で下したヒューイットは「現役選手で自分以上の勝利を上げている選手は2人だけだ。つまりそれは、自分も年を重ねている証拠。選手生活も長くなっているんだ。引退した後に振り返って、良い選手生活を送ったなと思えるだろう。こうして記念すべき勝利を挙げられたことと、素晴らしい選手に肩を並べることができて、光栄に思う。」と、喜びを語っていた。
全仏への調整のため、来週開催されるマドリッド・マスターズにも主催者推薦枠を望んでいるものの、その枠は地元のJ・C・フェレーロ(スペイン)やI・リュビチッチ(クロアチア)に渡る可能性が高く、数週間に迫った全仏へBMWオープンで好成績を挙げ、レッドクレーでの調子を掴みたいところ。
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