ナスダック１００オープン（男女共催、賞金総額６９０万ＵＳドル）の女子部門ではベルギー勢が相次ぎ敗れるなど波乱が続出しているが、男子部門ではトップシード勢が順当な勝ち上がりを見せている。
この日、第１シードのＲ・フェデラー（スイス）は巧者Ａ・クレマン（フランス）に苦戦するも6-2, 6-7 (4-7),6-0で振り切り勝利を挙げた。フェデラーは第２セットのタイブレークで4-0とリードしていたがクレマンの攻勢にあいセットを落としてしまう。しかしファイナルセットは怒涛の攻撃でクレマンに付け入る隙を全く与えず勝利した。世界１位のフェデラーは、現在アメリカ国内で７つのタイトルを含む４３連勝中で、またＰ・サンプラス（アメリカ）のもつＡＴＰマスターズシリーズ１９連勝という記録に並んでいる。今季のフェデラーの戦績は２３勝１敗で、既に全豪オープンを含むツアー３勝を挙げている。唯一の１敗はドバイの大会決勝でナダルに土をつけられたもの。
しかし、そのナダルも金曜日に行われた２回戦で伏兵Ｃ・モーヤ（スペイン）に1-6, 6-2,6-2で逆転負けを喫したため、フェデラーのリベンジは次回移行へ持ち越しとなっている。フェデラーの次の対戦相手は第２７シードのＴ・ハース（ドイツ）。ハースはＬ・オルナ（ペルー）を6-0, 6-3で一蹴しての勝ち上がり。ハースは今年の全豪オープン４回戦で、フェデラーをファイナルセットまで追い詰めている。ハース戦に向けてフェデラーは、「彼（ハース）はアメリカのハードコート・シリーズでは常に良いプレーをするんだ。だから明日は準備万端で試合に臨まないといけない。」と語り、警戒していた。
今シーズン絶好調のJ・ブレークは、この日Ｃ・ベルロク（アルゼンチン）に6-0, 6-0で完勝。改めて好調振りを見せ付けた。試合後ブレークは、「僕が試合中考えていたことは勝つことだけ。僕は勝利するために僕のできることの全ての全力でトライした。（6-0,6-0と圧勝したが）決して相手を叩きのめしてやるといった気持ちがあったわけではないんだ。」とコメントしていた。 ベルロクは１回戦でＤ・ヤング（アメリカ）に勝利しＡＴＰツアー初勝利を挙げていたが、皮肉なことにそのときのスコアも6-0, 6-0であった。ブレークは３回戦で、Ｍ・フィリプーシス（オーストラリア）を6-4,7-6 (7-3)で退けた第２３シードのＪ・ニエミネン（フィンランド）と対戦する。
このところ不調が続いていたＴ・ヘンマン（イングランド）は、この日第１３シードのＬ・ヒューイット（オーストラリア）を7-6 (7-5), 6-3のストレートで下す波乱を演じて見せた。両者はこれまで８回対戦していたが、ヒューイットの８勝０敗だった。そのヘンマンは次に予選勝ちあがりのＳ・グロイル（ドイツ）との対戦が決まっている。グロイルは第１７シードのＤ・フルバティ（スロバキア）を7-6 (8-6), 6-3で破るという金星を挙げての勝ち上がり。
その他の試合では、ロシアのＤ・ツルスノフ（ロシア）が第１４シードのＪ・Ｃ・フェレーロ（スペイン）を6-3, 7-6 (7-0)のストレートで、第１９シードのＳ・グローシャンがＦ・ロペス（スペイン）を6-3, 7-6 (8-6) でそれぞれ下している。また、第４シードのＡ・ロディック（アメリカ）はナイトマッチに登場し、Ａ・マルティン（スペイン）に6-3, 6-1で快勝している。
全試合の結果は以下のとおり。
【男子２回戦】
Ａ・ロディック (4) ○-× Ａ・マルティン, 6-3, 6-1
Ｒ・フェデラー (1) ○-× Ａ・クレマン, 6-2, 6-7 (4-7), 6-0
Ｇ・コリア（アルゼンチン） (7) ○-× Ｎ・ジョコビッチ（セルビアモンテネグロ）, 7-5, 6-1
Ｋ・フリーゲン（ベルギー） ○-× Ｇ・ガウディオ（アルゼンチン）(8), 7-5, 7-6 (8-6)
Ｊ・ブレーク（アメリカ） (9) ○-× Ｃ・ベルロク, 6-0, 6-0
Ｄ・フェレール（スペイン） (11) ○-× Ａ・モンタネス（スペイン）, 6-1, 6-1
Ｔ・ヘンマン ○-× Ｌ・ヒューイット (13), 7-6 (7-5), 6-3
Ｄ・ツルスノフ ○-× Ｊ・Ｃ・フェレーロ (14), 6-3, 7-6 (7-0)
Ｓ・グロイル ○-× Ｄ・フルバティ (17), 7-6 (8-6), 6-3
Ｓ・グロージャン（フランス） (19) ○-× Ｆ・ロペス, 6-3, 7-6 (8-6)
Ｊ・ニエミネン (23) ○-× Ｍ・フィリプーシス, 6-4, 7-6 (7-3)
Ｉ・アンドレエフ（ロシア） (24) ○-× Ｇ・バストル（スイス）, 6-4, 6-4
Ｔ・ハース (27) ○-× Ｌ・オルナ, 6-0, 6-3
Ｏ・ロクス（ベルギー）(29) ○-× Ｍ・ミルニ（ベラルーシ）, 6-4, 3-6, 6-1
Ｆ・べルダスコ（スペイン） (31) ○-× Ｖ・スペーディア（アメリカ）, 1-6, 6-4, 6-3
Ｊ・I・チェラ (32) ○-× Ｇ・ルゼッドスキ（イングランド）, 6-4, 6-4
（2006年3月26日14時25分）
前年女王が涙 3回戦敗退 
